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» 2014年06月05日 08時00分 UPDATE

現代中国インターネットの覇者たち:「年内にモバイルがPCを抜く」 百度CFOが語るビジネス戦略の全貌 (1/2)

百度のナンバー2であり、最高財務責任者として経営を指揮するLi Xin氏をインタビュー。今後の成長戦略などを聞いた。

[伏見学,ITmedia]

 前回の記事では、中国を代表するインターネット企業・百度(Baidu)のビジョンや文化から成長の源泉を探るとともに、北京本社の内部を紹介した。本稿では、同社の“ナンバー2”といえる、CFO(最高財務責任者)のLi Xin氏に、具体的な事業戦略などを聞いた。

 Li氏は、1990年に清華大学を卒業後、1994年にブリティッシュコロンビア大学(UBC)でMBAを取得。米General Motors(GM)において長らく財務部門の管理職、責任者として働き、2008年から百度のCFOに従事している。


買収や大規模なシステム投資でモバイル事業を強化

――先ごろ発表した2014年1〜3月期決算では、売上高95億元(約1560億円)で前年同期比59%増、純利益は25億4000万元(約415億円)で同24%増と好調です。その要因はどこにあるのでしょうか。

百度のLi Xin最高財務責任者 百度のLi Xin最高財務責任者

 中国のインターネットユーザーが利用するデバイスは、もはやPCからモバイルになりつつあります。モバイル経由のトラフィックが増えていて、百度でもモバイルでインターネット検索するアクティブユーザーは1日当たり1億6000人に上ります。

 2年ほど前から百度ではモバイル事業に積極投資しています。多数の人材をモバイル専門チームに投入し、技術やサービスの開発に注力しています。現在、収益全体の20%以上がモバイル事業によるものです。

 また、百度の主力事業であるサーチエンジンも好業績の要因です。中国での検索サービスシェアは73%で、トップに立っています。世界で見ても米Googleに続いて第2位です。

――モバイル事業への投資について、もう少し具体的に教えてください。

 まずサービス開発についてです。モバイルユーザーが重視するのは、スピード、ユーザーインタフェース(UI)、サービスの精度だと考えています。例えば、UIについては、PCと比べて端末のディスプレイが小さくなるので、より操作性が良くなるような設計がユーザーに求められています。ユーザーフレンドリーなデザインをサービスに実装するよう心掛けています。

 また、こうしたサービスへの間口を広げるために、昨年夏にアプリ販売プラットフォーム会社である91無線網絡を19億ドルで買収しました。同社はスマートフォン向けアプリのマーケットプレイスを提供している中国最大手で、ダウンロード件数は昨年3月までに100億件を超えています。この買収によって、ユーザーのモバイルサービスへの入り口が従来の検索だけではなくなりました。

 このような事業強化と市場の成長スピードにより、2014年中には百度のモバイルユーザーがPCユーザーの数を上回ると見ています。

――サービスを支えるITシステムに関して、どのくらいの規模の投資がなされているのでしょうか。

 2013年には約16億ドルを投資し、サーバやネットワークなどのインフラを整備したほか、北京と山西省陽泉にクラウドデータセンターの建設を進めています。一方で、システム運用の効率化を図るなど、コストダウンの努力もしています。

――百度は、阿里巴巴(Alibaba)、腾讯(Tencent)とともに中国インターネット企業のビッグ3(頭文字を取ってBAT)です。サービス内容は異なれど、こうした競合他社と比べた百度の強みは何でしょうか。

 百度の強みは特定の事業にフォーカスしている点です。Tencentは製品やサービスに、Alibabaはマーケティングに強みがあると思いますが、事業領域が多岐にわたり過ぎています。

 加えて、技術力においては他社よりも優れていると感じています。技術は決してコピーできません。これからも百度の核となっていくのが技術力です。

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