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「人間の思い通りに動かせる」 ロボット制御ソフト「V-Sido OS」事業化、ソフトバンク子会社が展開(1/3 ページ)

» 2014年06月11日 20時35分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「最低限の命令で、ロボットを人間の思い通りに動かせる」――ソフトバンク子会社のアスラテックは6月11日、ホビーロボットから巨大ロボットまでさまざまなロボットに対応した汎用的な制御ソフト「V-Sido(ブシドー) OS」の本格的な事業化を発表した。

画像 ロボットクリエイターの吉崎さんと、V-Sido OSを搭載したロボット「ASRA C1」。吉崎さんが持っているのは「V-Sido CONNECT」

 同社に所属するロボットクリエイターの吉崎航さんが学生時代から開発してきたソフトで、安定した2足歩行や姿勢制御がリアルタイムに可能だ。ロボットビジネスを展開する企業向けにカスタマイズして販売するほか、一部機能を組み込んだ個人ユーザー向けマイコンボード「V-Sido CONNECT」を年内に1万円以内で発売する計画だ。

 ソフトバンクの孫正義社長は、「感情を持った初のロボットとしてPepperを発表し、ソフトバンクがロボット分野に参入する宣言をした。V-Sido OSは、さまざまな動きを制御するOS、人間で言うと小脳に当たる。吉崎くんを中心にグループで資本増強し、一気に花を咲かせたい」とコメントを寄せた。

「人とロボットをつなぐOS」

 V-Sido OSは、「人とロボットをつなぐOS」(吉崎さん)だ。従来のロボット制御ソフトは動きをあらかじめプログラムしておく必要があったが、V-Sido OSは入力デバイスから直感的な指令を送るだけで、リアルタイムに動きを生成し、安定的に動かすことができるという。

 例えば、人がジョイスティックで操作した通りにロボットの手を動かしたり、人がKinectの前でした動きを、そのままロボットに再現させたり――といったことが可能。V-Sido OSをサーバとしてWebに公開すればWebブラウザから操作することもでき、スマートフォンのブラウザからロボットの首を動かしたり、ロボットのカメラでとらえた画像をブラウザでリアルタイムに見る――なども可能だ。

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 力の制御やバランスの取り方など安定的に動くために必要な情報はロボット自身が補完し、リアルタイムに動きを生成できるという。風が吹いたりボールが飛んでくるなどの急な衝撃を受けたり、足場が揺れるなど不安定な環境でもバランスを取りながら動けるとしている。

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