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「なぜ人気になったか分からない」 「セーラー服おじさん」という“社会実験”から見えたものとは(4/4 ページ)

» 2014年06月30日 07時47分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 「持ち上げられすぎちゃって……」。小林さんは困り顔だ。「頭のおかしそうな変な格好のおじさんだったのが、実はちゃんとした人だった、と出てしまった。これでもう全部出されちゃって、何も残ってないほぼ丸裸状態。この後は新しい話題が出て来ようがなくて、これで伸びきったかなと」

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 早稲田塾のネットCMでは流ちょうな英語も披露。英語力に感嘆の声があがったが、これも「セーラー服着て歩くより恥ずかしかった」という。「プロの通訳や翻訳家から見たらわたしの英語なんてインチキくさくて、ダメだってバレちゃうレベルなので」

 本格的に英語を学び始めたのは97年ごろ。会社の英会話研修で学んだほか、当時黎明期だったインターネットで海外のニュースや掲示板を読みあさり、男女のマッチングサイト「Match.com」に登録してみたところ、オランダやフィリピン、台湾、ネパール、アゼルバイジャンなど世界中の女性から毎日のようにメールが届いたという。

 当時のインターネットは一部の知識層しか使っておらず、さまざまなキャリアの人がいたという。「写真家やテレビディレクター、ファッション雑誌のエディターなどからメールが来て。英語が分からなかったから必死に辞書を引いて、解読しました」。何人かとは実際に会い、1人とはいい仲になったそうだ。

飽きられても、飄々と

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 セーラー服おじさんの人気は「そろそろ限界では」と思っている。「本当のスターは、歌がうまいとかダンスできるとかとか何か芸があり、それが評価されてスターダムを上がっていける。芸もなにもない普通のただのおじさんがセーラー服を着ただけで、話題になるはずがなくて」

 目標や野望は特にないという。「人々が飽きてきて、『あのじいさん、いつまでやってんだよ』とか言われても平然と続けてると、日常の光景になっちゃって、誰も気にしなくなる。それでも飄々と。それでいいんじゃないかと」

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