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「あまくほろにがい恋の味でしょ」――「雪印コーヒー」公式アイドル「ゆきこたんズ」デビュー “中の人”に聞いてきた(2/2 ページ)

» 2014年08月13日 10時00分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
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「ゆきこたんズ」、本気のアイドルソングでデビュー

 4月にスタートした2ndシーズンではアイドルデビューを掲げ、それぞれの名前を募集するところからスタート。センター「うしっ娘ゆきこたん」は人気声優・竹達彩奈さんが担当し、その他キャラの“中の人”はニコニコ動画ユーザーから募集した1378人から決定。1期と同じように「ファンの皆様と創り上げていく」(竹谷さん)参加型アイドルだ。

photo アイドルグループ「ゆきこたんズ」が始動

 グループとして育てるフェーズはここが始まり、絶対に手は抜けない――そんなチームの思いを反映し、7月末に発表したデビュー曲「Milk & Coffee Love」は作曲をAKB48「ヘビーローテーション」の山崎燿さん、音楽ビデオ(PV)制作をMMDクリエイター・まさたかPが手がけ、“本気のアイドルソング”に仕上がった。

 初めての動くゆきこたん。それぞれのキャラの個性を示すため、1人1人のダンスやアクション、セリフにもこだわりぬき、何度も修正を繰り返したという。「特段アイドルに詳しいわけではなかったんですけど、この数カ月でかなり勉強しましたね……。『この子はこんなこと言わない』『もう少しこういう動きの方がかわいくないですか?』なんて、何度も激論しました」(竹谷さん)

 PVは1万再生を超え、「ぼんぼりゆきこたんかわええ」「ミルクラウンゆきこたんセンターになってほしい!」などそれぞれのキャラクターに言及するコメントも多い。フルバージョン楽曲にアクセスできる限定パッケージも再度発売しており、Twitterでは“捕獲”報告が寄せられているなど、ソーシャルメディアでの反響も目立つ。

 当初の目的である若年層の獲得に加え、「ゆきこたん」への声援が商品自体への親近感や愛着によるものと実感できているのが成果として大きいという。「ユーザーとコミュニケーションしながら商品の魅力を伝えるというマーケティングの基本に立ち返った」と竹谷さんは振り返る。

「“子どもたち”を育てる責任がある」

 ネットを中心としたキャンペーンで避けて通れないのはマイナスの反応だ。「ゆきこたん」に関しても決して肯定的なものだけではなく揶揄や批判も見られるが、「あまり神経質には捉えてないですね、ネットならではの目線や作法があることは感じます。例えば【悲報】と書きながら、『公式何やってるんだ』とつっこみながら、継続して見てくれてる人も多い印象」と竹谷さんは話す。「ネットでのキャンペーンは広がるのは速いが忘れられるのも速い。長く愛され続けるには、少しずつ過程を見せていかなくては」。

 こだわっているのは「あくまでメーカーであること」。キャラクターは同社商品の魅力を伝える入り口であり、ノベルティとして配布する以上の商業的なグッズ展開の予定はないという。個人で楽しむ範囲であれば2次創作も歓迎。公式サイトにはイラストやロゴ、フィギュアとして出力できる3Dデータ、テーマソングの音源などが提供されており、「オレたちのゆきこたん」であることがはっきり示されている。

photo プロジェクトを統括する竹谷和章さん。「全員同じくらい好きで“推し”は決められない」そうです

 「プロジェクトに明確なゴールはなく、みなさんの反応を見ながら1人のファンとして今後の展開を一緒に楽しんでいくつもり。『ミルクラウンゆきこたんはボクっ子』など、6人ともまだまだ細かい設定があるのでこれからの成長にも注目してほしい。『ゆきこたん』という“子どもたち”を生み出したからには親として大事に育てていく責任がある。『雪印コーヒーと言えばゆきこたん』と世代を超えて当たり前になるような存在になれば“1人立ち”でしょうか」(竹谷さん)

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