育成ゲームなのに死にまくる 「生きろ!マンボウ」ヒットの裏側 開発した3人が起業、マンボウで世界へ(1/4 ページ)
死ねば死ぬほど強くなる――育成ゲーム「生きろ!マンボウ~3億匹の仲間はみな死んだ~」(無料)が人気だ。育成ゲームのはずなのに死にまくるこのゲーム。マンボウに餌をやり、冒険に行かせ、育てていると突然死ぬ。最初はその理不尽さにあ然とするが、遊んでいくうち、死ぬことがだんだん快感になっていく。
「餌を求めて潜った深海の水が冷たくて死ぬ」「体に付いた寄生虫を振り落とそうと水面でジャンプしたら着水の衝撃で死ぬ」……ゲーム中で、マンボウは情けないほどあっさりと「突然の死」に見舞われる。
「かわいいくせに突然の死とかものすごいスリル」「か弱いマンボウに愛着がわいてきます」――6月5日のiOS版公開以来、App Storeに書かれたレビューは6万件以上。平均点は5点満点中4.5点と際立った高評価だ。ダウンロード数は60万を突破。8月18日にはAnrdoid版も公開した。9月には英語に翻訳して世界にリリースする予定だ。
開発したのはゲームが大好きな24歳の3人、中畑虎也(こうや)さん、塚田拓実さん、宮川佳祐さんだ。3人とも面白法人カヤック出身で、同じチームで育成ゲームを開発した経験を持つ。「生きろ!マンボウ」は、カヤック退社後に3人で、趣味で作ったという。
趣味とはいえ開発姿勢は真剣そのもの。「主人公は本当にマンボウでいいのか」「マンボウはなぜ生きているのか」――3人で考え、議論し、時には水族館を訪れてマンボウを観察し、一度は完成したゲームを「面白くない」と作り直し、半年以上かけて公開にこぎ着けた。
「本当にマンボウでいいのか」
企画を始めたのは昨年11月ごろ。当初から大ヒットを狙い、「1000万ダウンロードを狙えるヒーローを探していた」(中畑さん)と振り返る。
ヒーローの条件とは何か。「憧れる部分と弱い部分があることだ」と中畑さんは力説する。例えば、ウルトラマンは敵をバタバタ倒すが3分しか地球にいられない。「ドラえもん」は便利なひみつ道具をたくさん持っているがネズミに弱い。「スーパーマリオ」はたくましく冒険するが、クリボーに当たっただけでダメージを受ける。
マンボウも同じだという。「マンボウは世界で一番大きな硬骨魚。それなのに体が弱い。ヒーローの素質を備えているんです」(中畑さん)
マンボウに目を付けたきっかけは、ネットの記事だった。「一度に3億の卵を産むが、生き残るのは数匹」「寄生虫を取ろうと海面に体をたたきつけて死ぬ」「深海の水が冷たくて死ぬ」――など、マンボウの“弱さ”を示す都市伝説が「2ちゃんねる」などで話題になり、「天国に一番近い生物」などと揶揄されていたのだ。「マンボウをネタにすれば、ちょっとニッチだが受けるんじゃないか」(塚田さん)――そう考えた。
マンボウ以外のヒーロー候補も探した。RPGをテーマにしたものや、ネコをメインキャラにしたゲームなども検討。「本当にマンボウでいいのか」と3人で議論したが、「マンボウしかないって、すぐに結論が出ました。ほかはグッっと来なくて」(中畑さん)。
「マンボウはなぜ生きているんだろう」とすごく考えた
ゲーム化にあたり、マンボウをじっくり研究したという。ネットのマンボウ関連記事を読みあさり、水族館にマンボウを見に行き……「マンボウはなんで生きているんだろうって、すごく考えましたね」(中畑さん)。
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