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Google、欧州で検索結果からのURL削除リクエストの4割に対応「忘れられる権利」対策経過報告

» 2014年10月11日 07時24分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは10月10日(現地時間)、透明性リポートのWebサイトに開設した「検索における欧州プライバシー」ページで、欧州における“忘れられる権利(right to be forgotten)”対策の経過を報告した。

 同社は5月、ユーザーから要請があった場合、検索結果から個人情報を含むWebサイトへのリンクを削除する責任を負うという欧州司法裁判所の裁定を受け、欧州ユーザー向けにリンク削除リクエストフォームを公開した。

 同社がこれまでに受け取った削除リクエストは累計14万4954件。1人で複数のURLの削除をリクエストする場合も多い。同社の企業開発担当上級副社長兼最高法務責任者(CLO)、デビッド・ドラモンド氏によると、すべてのケースを専門のチームが個別にレビューしているという。

 これまでにリクエストを受けた49万7695件のURLについてのレビューが終わっており、その41.8%に当たる17万706件のURLを検索結果から削除した。

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 同社はこのページで、リクエストの具体例とその対応を15件紹介している。例えばレイプの被害者からの、被害に関する新聞記事のURL削除リクエストには応じた結果、被害者の氏名での検索結果にその記事は表示されなくなった。一方、職場での性的犯罪で解雇された男性からの、その件に触れた記事へのURL削除リクエストには応じなかった。

 このページではまた、削除リクエストが多いドメインも紹介している。最も多いのは米Facebookで、3332件のURLが既に削除された。GoogleのYouTubeとGoogleグループのURLも2000件以上削除された。

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 日本では、氏名の検索で過去に犯罪を行ったかのような記事が表示されるのは人格権の侵害だとして日本人男性がGoogleに検索結果の削除を求めた仮処分で、東京地裁が9日、検索結果の一部を削除するよう命じる決定をした。日本経済新聞によると、検索結果の削除を命じた司法判断は国内で初めてとみられる。Googleは既に、URLの一部を削除したという。

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