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SPE、北朝鮮風刺映画のネット配信を開始 GoogleとMicrosoftも協力

» 2014年12月25日 07時36分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは12月24日(現地時間)、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)からの依頼を受け、北朝鮮を風刺する映画「The Interview」をYouTubeとGoogle Playで同日午前10時(太平洋時間)から米国内で視聴できるようにすると発表した。

 価格はレンタルが6ドル、ダウンロードは15ドル。

 Googleの最高法務責任者(CLO)、デビッド・ドラモンド氏は公式ブログで、セキュリティの懸念はあるものの、「ソニーとGoogleは様々な問題について検討した結果、われわれは一握りの人間が他の国の表現(例えくだらない内容でも)の自由を制限することを許す傍観者でいることはできないという結論に達した」と説明した。同社は公式Twitterでも「われわれのミッションは、世界の情報をアクセス可能にすることだ。例えセス・ローゲン(同映画の監督/主演俳優)の映画でも、だ」とツイートした。

 google Google Play。日本からは購入できない

 米Microsoftも同日、Xbox Videoで10時に公開した。価格はGoogleと同じ設定だ。同社の法務担当上級副社長、ブラッド・スミス氏は公式ブログで、「誰かの権利を脅かすサイバー攻撃はすべての人の権利を脅かすものであり、われわれはそれを阻止する必要がある」と語った。

 また、SPEも配信用の専用サイト「www.seetheinterview.com」を立ち上げ、配信を開始した。こちらの決済システムはオンライン決済サービスの米Stripeが請け負った。

 spe SPEのseetheinterview.com

 これにより、米国在住であれば、iOS端末やApple TVを含むほとんどの端末でこの映画を視聴できるようになった(日本からは視聴できない)。

 SPEは、サイバー攻撃者からの脅しを受けて18日に“お蔵入り”を発表したThe Interviewを、米国の一部の映画館でクリスマス(25日)から上映すると発表した際、「より多くのプラットフォームと劇場で同映画を安全に提供するための努力を続けている」とも語っていた。

 The New York Timesによると、SPEは米AppleにもiTunesでの配信を要請し、米連邦政府に説得の協力を求めたが、Appleは少なくともすぐに公開することには興味を示さなかったという。

 米連邦政府は同日、バラク・オバマ米大統領が「ソニーの今回の取り組みを評価」したという声明を発表した。大統領はSPEが同映画の上映を中止した際、同社を批判していた。

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