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シール貼った「痛Suica」、使って大丈夫? JR東「機器トラブルの恐れも」

» 2015年01月13日 17時56分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 アニメキャラなどを利用した痛Suicaの画像まとめ(Naverまとめより)

 「Suica」などICカード乗車券にシールを貼り、オリジナルデザインに変身させる行為が一部のユーザーの間で広まっている。萌えキャラをあしらったシールを貼る“痛Suica”も登場しているが、JR東日本は「チャージの際に券売機で詰まるなどトラブルになる可能性があるため、お客様にはシールを貼らないようご案内している」という。

 ICカードと同サイズに作られたステッカーシールは、人気キャラクターのイラストがあしらわれたものがネットなどで販売されているほか、一般ユーザーがアニメキャラのイラストなどをデザインし、自宅のプリンタで出力してSuicaに貼る手作りの“痛Suica”も人気だ。

 今月には、人気アニメのキャラクターを無断でシールに印刷し、ICカード用ステッカーとして東京・秋葉原で販売していたとして、男が著作権法違反の疑いで警視庁に逮捕された。約3年前から1枚500円程度で販売し、約200万円ほどの売り上げがあったという。

 ただJR東によると、シールを貼ったSuicaは「チャージの際に券売機に入れた時に詰まってしまい、機器が故障したり、自動改札を通る際に通信に障害が出る可能性がある」という。そのため、「シールを貼ることはご遠慮いただくよう案内している」という。

 ICカード用の市販のシールには、何度も貼ってはがせる仕様で、「チャージの際は必ずはがしてからご使用ください」と注意書きが付いて販売されているものもある。ただ「市販されているSuica用シールに、弊社が認めた公式の商品などは一切ない」(JR東)としており、利用は慎重に検討したほうがよさそうだ。

 「シールを貼るとSuicaの利用規約違反にあたるのでは」という指摘も一部ネットユーザーから出ているが、JR東は「規約違反かどうかはケースバイケース。シールを貼ることが一概に規約違反とはいえない」と説明する。

画像 TOICAのQ&Aより

 JR東海のICカード「TOICA」のQ&Aでも、「券面にシールを貼付していると、自動券売機や自動精算機等でチャージをする際に詰まってしまう可能性があるので、シール貼付はおやめください」「約款の規定によりTOICAが無効となる場合があります」などと案内している。

 首都圏の交通事業者で構成する「PASMO協議会」の広報担当者も、ICカード「PASMO」に「シールを貼らないでほしい」と話す。「シール貼付を制限する規定が約款に明確にあるわけではないが、シールを貼ることで券面に書かれたカード番号や規則が見えなくなると約款に違反する。また、チャージの際などにシールを貼ったPASMOが機器内で詰まり、故障の原因になりかねない」ためという。

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