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» 2015年01月30日 11時00分 UPDATE

なぜ人気?「ゲーム実況」 実況者にアイドル的注目、ゲーム会社が公認・活用の動きも ドワンゴに聞く

ゲームをプレイする様子を解説やトークと同時に楽しむ「ゲーム実況」。ニコニコ動画への投稿数はこの数年で激増し、「実況者」も若年層を中心に人気を集めている。その背景をドワンゴに聞いた。

[ITmedia]

 ニコニコが開催するゲームの祭典「闘会議2015」が1月31日〜2月1日に千葉・幕張メッセで行われる。最新ゲームタイトルから懐かしのアナログゲームまでを取りそろえ、企業主体ではなくユーザー主体をうたう参加型イベントだ。

photo 公式生放送は十万人以上が試聴する大盛況
photo 東京ゲームショウでのゲーム実況ブース

 公式サイトの出演者紹介で目立つのは、100人以上にのぼる「実況者」。内容を解説したりセリフを読み上げたり、数人で雑談しながらゲームをプレイする「ゲーム実況」動画を「ニコニコ動画」にアップロードするユーザーたちだ。若年層を中心に人気を集め、個人やグループによっては1度のイベントで数百人、数千人を動員するアイドル的な存在になっている。

 ボーカロイドを使って楽曲制作する「ボカロP」がメジャーシーンに進出していったように、ネット発で草の根的に人気を集めてきた実況者が企業の公式PRに携わる機会も増えつつある。実況の公認や、実況機能を内蔵したタイトルの登場、任天堂の“公式2次創作”全面解禁など、企業とファンも関係にも変化が見える。

 「ゲーム実況」の可能性やファンの広がり、そして企業との関わりを、シーンの盛り上がりを見つめてきたドワンゴの運営サイドに聞いた。

「友人のプレイを隣で見ている感覚」

──そもそも「ゲーム実況」とは? どんな人が楽しんでいるのでしょうか。

photo ニコニコ動画のカテゴリ別投稿数

ドワンゴ niconicoコミュニティの中でもゲーム関連コンテンツの存在感は大きく、現在までの投稿動画約1177万のうち、ゲーム関連動画は約528万となっています。率としてはかなり高いです。とはいえ、ゲーム関連の動画と一口に言っても、さまざまな切り口があります。

 ゲームを淡々とプレイする「プレイ動画」、早解きしたりシューティングで高得点を出す「スーパープレイ」、ゲーム音楽をアレンジする「演奏してみた」「歌ってみた」、足でコントローラーを扱うなどの「ネタ動画」、合成音声で解説する「ゆっくり実況動画」、そしてプレイヤーがおしゃべりしながらプレイする「実況プレイ動画」――など、同じタイトルでもそこにまつわるコンテンツが多数あり、それぞれを楽しむ視聴者のみなさんがいるというのがゲーム動画の特徴です。

 なかでも「実況プレイ動画」が新しい動きのために目立っています。昔は「ホラー動画」が多かったですが、今は「Minecraft」「ネタやストーリーの強いインディーゲーム・自作ゲーム」「マリオカートなど、複数人でわいわい遊べるゲーム」なども人気が出ています。

 「ゲーム実況」ジャンルの視聴者はコアなゲーム好きだけではありません。攻略方法を動画で知るというよりも、友人の家でプレイしている様子を一緒に見ている様子に近いです。年齢層はゲームタイトルやコンテンツによって異なりますが、実況主によっては、若い女性ファンが多い方も。実況動画はシリーズものも多く、投稿頻度も高めなので、「マイページ」「お気に入り」を使って好きな実況者の新着動画をチェックし、ラジオのように楽しんでいるユーザーが多いようです。

実況者登場で悲鳴 「すごいことが起きてるぞ」

──運営サイドとして盛り上がりを感じた時期はいつ頃ですか?

ドワンゴ ゲームをしながらしゃべるという遊び自体は「ニコニコ動画」誕生以前からあり、2005年前後からPeerCastや2ちゃんねるで流行り始めていました。その後立ち上がったニコニコ動画内でも少しずつ面白さが広まり、自分で実況動画をアップする人が増えていきました。本格的に盛り上がりが見え始めたのは07年後半くらいから。08年春頃から爆発的に増えていき、それ以降は右肩上がりで投稿数も視聴数も増えています。

photo 12年1月に行った初の公式生放送(メーカー公認)。240万人以上の視聴者を集めた

 公式番組としては、12年1月に「DARK SOULS」の60時間放送を行ったのが初めてで、とても反響が大きかったです。その数カ月後、「ニコニコ超会議」と併催したライブイベント「ニコニコ超パーティー」でゲーム実況者がステージに登場した時、客席からものすごい歓声と悲鳴が上がったんです。ここで運営全員が驚きました、「何かすごいことが起きてるぞ……」。

photo 全国のお祭と併催する「町会議」でもゲーム実況ブースは大人気(写真はM.S.S Project)

 趣味を発信することでファンを生む――その結果、ネットを飛び出すユーザーも増えてきています。「ガッチマン」さんはじめ、新作ゲームのPRやゲーム関連の公式イベントでタレントに代わって宣伝を行うケースの他に、小説を発表したり、渋谷公会堂でライブをしたりと幅広く活動する4人組人気ユニット「M.S.S Project」さん、自作カードゲームを販売する「いい大人達」さんなどその後の広がりはさまざまです。

それぞれの楽しみ方をさらに豊かに

──企業側の姿勢も変化していると思います。今後の展望は?

ドワンゴ 実況に親しむ層は、デバイスのネット連携や、ソフト自体が実況プレイを前提に対応していくことで、さらに広がっていくと思います。特にスマートフォンで実況しながら遊ぶカルチャーはもっとメジャーになっていくと見ています。

 自作ゲーム開発の動きも盛り上がっています。実況をきっかけに自作ゲーム「Ib」「青鬼」が流行ったように、小さくスタートし、誰かが魅力を発信することで人気を集めていく自作ゲームは今後も実況と相性がいいのではないでしょうか。

 それから、年代の広がりですね。ニンテンドー3DSの「ニコニコ」をきっかけに、小学生などキッズユーザーにも実況文化が広がっています。任天堂ゲームの実況動画はもちろん、「Minecraft」も子どもたちに人気です。

──「ゲーム実況」はネットを通して行われるものですが、リアルイベントである「闘会議2015」ではどのように位置付けられているのでしょうか。

photo 「闘会議2015」(1月31日〜2月1日、千葉・幕張メッセ)

ドワンゴ 「ゲーム実況」というムーブメントは、単にゲームをしている動画を見るのではなく、「ゲームの遊び方が動画で広がりやすくなったもの」だと考えています。マイナーでも尖ったゲームの魅力を伝えたり、ゲームをネタにした別の遊びを見つけたり、より難度の高いプレイを突き詰めたり、ユーザーそれぞれの楽しみ方が動画になっているんですね。

 「闘会議2015」でも、ゲーム実況を体験できる「ゲーム実況ストリート」、ゲームの世界を再現した「リアルゲームエリア」、その場で飛び入り参加できるゲーム大会など、新しい遊び方を提案しています。ネットを通して見つけた新しい遊びをリアルイベントの形で伝えることで、実況だけでなくゲームを楽しむ文化自体がさらに豊かになればと考えています。

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