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「著作権侵害の非親告罪化」「保護期間延長」はTPP交渉から除外を――ネット関連団体の声明、政府に提出 68団体・283人賛同(2/2 ページ)

» 2015年03月13日 18時09分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 声明に賛同したドワンゴの甲斐顕一会長室室長は「ニコニコ動画はユーザーによる2次創作を奨励しており、2次創作は2次創作者と1次創作者の信頼関係の基に成り立っている。その関係に公が関与するとどうなるんだろうという懸念があり、情報がなさすぎてどう判断・解決していいか分からないのが実情。議論が活発になり、適切な解決ができると期待している」と述べる。

 コミケ準備会もコメントを発表。「われわれが活動して来られたのは、日本の著作権者の皆さんが、アマチュアの表現者たちを後輩として暖かく見守ってくださったから」とし、「TPP交渉においては、日本の表現文化を今以上にはぐくむ形での合意がなされるよう、ご尽力いただければ」と賛同の背景を説明する。

 日本劇作家協会会長の平田オリザさんは、保護期間延長に反対する立場から声明に賛同。「戯曲は上演してもらって初めて作品が完結するが、遺族の意志で元のシナリオから一字一句変えられず、同時代性が失われた作品が現実にある」と話し、ジャン・ポール・サルトル(1980年没)の「出口なし」という戯曲の主演をロボットに変更してフランスで上演しようとしたところ、サルトルの遺族からの反対で上演できなかった例を紹介する。

 赤松氏は「漫画協会の大御所には、手塚治虫作品の著作権が2039年に切れてしまうのは許せない、延長は歓迎だとおっしゃる大御所もいるので微妙な立場。ほとんどの場合、孤児作品が増えるだけだが……」と複雑な立場を打ち明ける一方で、「漫画家として、著作権侵害の非親告罪化に関して憂慮している」「協議の透明化には大賛成」と話す。

 福井氏は、「非親告罪化や保護期間の延長などが指し示す未来を想像してみてください。国外の密室で、誰かが作ったルールに従うだけ。その未来が嫌だと思うなら、どうぞ声を上げてください。もし、嫌だと思っているのに声を上げない個人や団体があれば、非親告罪化や保護期間の延長は、その人たちが成しとげるんです」と話し、声明への賛同を求めた。

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