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KDDI、セルフ健康チェックサービスに参入 「スマホ de ドック」開始、第1弾は血液検査

» 2015年03月16日 16時24分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 KDDIは3月16日、スマホやPCで管理できるセルフ健康チェックプラットフォーム「スマホ de ドック」を今夏スタートすると発表した。第1弾として、在宅で血液を採取し、分析結果をWeb上で確認できる「生化学14項目血液検査サービス」を始める。価格は4980円(税別)。auユーザー以外も利用できる。

photo 「生化学14項目血液検査サービス」の検査キットと結果画面
photo キットを押し付けて指先から出血させ、脱脂綿に吸わせる。採取量は通常の血液検査の数十〜100分の1程度の微量

 専用キットで微量(0.065ミリリットル)の血液を採取し、検査センターに郵送すると約1週間後にスマホやPCから検査結果をチェックできる。検査項目は、中性脂肪やコレステロール、尿酸値、血糖値など、メタボリックシンドロームや腎機能、痛風などに関する14項目だ。結果はA〜Dの4段階で示し、医師の監修による医学的なコメントや生活改善アドバイス、結果によっては医療機関の案内も表示される。プラットフォーム構築をKDDI、検査キットの提供をリージャー、血液検査をアイルが担当する。

 サービス開始に先立ち、4月中旬から全国20自治体、2健保組合で24万人の健康診断未受診者を対象に無料利用を促す実証実験を行う。“メタボ健診”こと特定健診は40代以上の未受診者が70%超に上るとされ、健康診断を受ける時間が取れない人に訴求していく。特定健診の対象者でない若年層には、習慣的な健康チェックにつなげてもらいたいという。

photo 開発中の検査結果確認画面

 自治体や企業との連携を中心にするモデルで、夏をめどに個人向けも始める。今後、検査の種類を拡充し、生活習慣チェック、健康サポートなどにもサービスを広げていく予定だ。

 KDDI新規ビジネス推進本部の岩崎昭夫担当部長は「将来的には個人が健康チェックを行うことを当たり前にし、大病の早期発見や医療費の抑制など、誰もが長生きできる社会の実現につなげていきたい。現時点でヘルスケア事業に大きな収益を求めているわけでなく、マーケットを広げるべく長期的な視野で見た取り組み」と話している。

 リージャーは自己採血型血液検査サービスに10年以上取り組んでいるが、セルフヘルスケアの市場はまだ小さいという。KDDIの役割は「アナログなキットとデジタルプラットフォームを融合することで、より裾野を広げていくこと」(岩崎担当部長)。安定したプラットフォームの提供、個人情報管理への安心感などを強みにユーザー拡大を目指す。

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