緑茶とコーヒーの習慣的な摂取が死亡リスクを減少する――国立がん研究センターなどの研究グループが5月7日、調査結果を発表した。それぞれに含まれるカテキンやクロロゲン酸、カフェインが体内機能を改善している可能性があるという。
40〜69歳の男女約9万人を対象に約19年の追跡調査を行い、それぞれの習慣的摂取と主要な死亡要因との関連を調べた。緑茶の場合、1日5杯以上飲む人の全死亡リスクは男性で13%/女性で17%低く、飲む量が増えるにつれてリスクは下がっていた。コーヒーも、1日3〜4杯飲む人は全死亡リスクが24%低かった。
緑茶・コーヒーとも、がん死亡のリスクとは有意な関連はなかったが、緑茶では心疾患による死亡は男女とも低く、脳血管疾患と呼吸器疾患では男性のみ低かった。また事故など外因による死亡は女性でリスク低下が見られた。コーヒーでは心疾患、脳血管、呼吸器疾患による死亡リスクが低かった。
研究チームは、緑茶に含まれるカテキン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸による血糖値の改善や血圧の調整、両方に含まれるカフェインによる呼吸器機能などの改善が死亡リスクの低減につながる可能性がある――としている。
成果は米国の疫学専門誌に掲載された。
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