富士通は5月18日、NTTドコモから発売する携帯電話夏モデルの発表会を開いた。画面を見つけるだけでロックを解除できる虹彩認証技術、大容量の動画データを数秒でやりとりする無線技術「TransferJet」を世界初搭載するスマートフォン「ARROWS NX F-04G」、既存のフィーチャーフォン(従来型機種)と同じスタイルで使えるAndroid端末“ガラホ”として「ARROWSケータイ F-05G」を投入する。
スマートフォン「ARROWS NX F-04G」は世界で初めて虹彩認証技術を搭載。人間の黒目の周りの虹彩を識別し、画面を見つめるだけで端末ロック解除やWebサービスやECサイトのID/パスワードの入力などができる。
画面を見るだけで約0.6秒で認証するスピードと、10万人に1人しか一致しないセキュリティ面での精度の高さが魅力だ。指紋認証と異なり、手元が濡れていたり手袋をしていても解除できる。暗い場所、眼鏡やサングラスをかけたまま、片目だけ――でも認証可能だ。
近接無線伝送技術「TransferJet」も世界初搭載。最大375Mbpsで大容量の動画や音楽データを転送できる。端末にプリセットされているアプリを起動し、本体同士を近付けると転送がスタート。フルHD画質の1分程度の動画(100Mバイト超)であれば約4秒で転送できるという。
iOS端末、PC、カメラ(SDメモリーカード型、今夏発売予定)で動作する外部アダプタを利用すれば、スマートフォンから他デバイスへのコンテンツ転送も可能だ。友人同士の共有だけでなく、コンサートやイベント会場で来場者向けのコンテンツ配布、データバックアップなどに用途を広げられればとしている。
最新技術を搭載したハイエンドスマートフォンを発表する一方、形状はフィーチャーフォン、OSにはAndroidを採用した“ガラホ”「ARROWSケータイ F-05G」も投入する。ユーザーが重視する電池持ちは連続待受時間最大930時間を実現した。
メールに代わるコミュニケーションとしてLINEのニーズが増えていることを受け、タッチパネルではなくキー操作だけでも快適に使えるよう独自の工夫を加える。ワンタッチ起動ボタン、受信・着信内容の待ち受け画面への通知、「スタンプ」「送信」などよく使う機能のキー設定――など、これまでメールに慣れていた人でも違和感なく使えるような操作感になっている。
高田克美執行役員は「スマートフォンへの移行は一段落し、2013年度を底にフィーチャーフォンも堅調に推移していく予想」とし、今度も“ガラホ”に注力する姿勢を見せる。iモードやEZwebに対応した旧来型OS機種の新たな開発は難しいとしつつ、「当分の間は既存機種を供給できる体制は整えており、今すぐに生産を止めるということはない」と話した。
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