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葛西臨海水族園にクロマグロ77匹投入 群泳復活へ

» 2015年06月22日 17時54分 公開
[ITmedia]

 東京都立葛西臨海水族園は6月22日、原因不明の大量死で残り1匹となっていたクロマグロの大水槽に77匹を追加したと発表した。今後バランスを取りながら数を増やす。元の展示規模に戻るのは1〜2年後だという。

photo クロマグロの群泳が戻った大水槽

 21日夕方、全長80〜90センチ、体重10〜13キロの1歳魚77匹を大水槽に放した。アクリルガラス面への衝突を防ぐため、水槽には目印となるテープを格子状に貼っている。約30年前に上野動物園がマグロ類の飼育試験をする際に試した方法で、マグロたちが水槽に慣れるまで数日間の予定だ。

 大水槽では昨年11月時点で計159匹が泳いでいたが、12月からマグロ類の死亡が相次ぎ、クロマグロは3月時点で残り1匹に。原因は現在のところ明らかにはなっていない。飼育環境を見直し、5月に先行導入したハガツオ、スマなど、マグロと同じサバ科の魚には目立った病気や行動は確認されていないという。

 同園のニュースリリースによると、「残っている大型のクロマグロ1尾を意識したのか、新しいマグロたちは最初はやや高速で泳ぎ、少しハラハラ」させられたものの、「しばらくすると水槽内は落ち着いた様子を見せ、小型のクロマグロたちは徐々に群れをつくって泳ぐように」なったという。「先輩マグロとも折り合いをつけ、お互いにうまく距離をとっているようで一安心」という。

photo 慎重に水槽に放す

 クロマグロを安定的に展示するには年齢にばらつきがないことが必要になり、今後バランスを考慮しながら追加していく。以前のような全長120〜150センチのマグロが泳ぐ水槽になるまでに1〜2年かかるという。

 Webサイトでは、マグロが神奈川県・三崎港から同園に運搬・移送され、水槽内を泳ぎまわるまでの様子を約3分間の動画で公開している。

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