米Googleは8月10日、新たな持ち株会社「Alphabet」を設立し、検索などの各種事業を傘下に収めると発表した。しかし、この計画にはある障害が立ちはだかるかもしれない。あまりにも普遍的すぎるその新会社名に関し、他社との間でひと波乱あるのでは――と懸念する声が相次いでいるのだ。
ロイター通信によれば、独BMWはグローバルで自動車リース事業を手掛ける「Alphabet」という同名の子会社を持つことから、Googleが同社の商標権を侵害している可能性がないか調査しているという。Googleは現在、無人自動車開発事業で大手自動車メーカーなどと競合状態にある。
社名をめぐる問題は、Googleが新会社のために用意したWebサイトのドメイン名「abc.xyz」にも表れている。本来であれば「alphabet.com」のほうが素直なドメイン名と言えそうだが、このドメインはすでにBMW子会社が使用していたのだ。
BMWの広報担当者が米New York Timesに語ったところによると、同社の事業にとってWebサイトは重要な存在であり「ドメインを販売する予定はない」という。
他方で、Googleは「Alphabetは持ち株会社であり、製品を出したりブランド展開をする予定はない。BMWグループとの直接的な競合は避けられる」とコメントしている。
しかし、Alphabetを名乗る企業はこの2社だけではない。米政府のデータベースによれば、米国内だけでも「Alphabet」を含む商号を持つ、あるいはかつて持っていた企業が8社もある。ましてや世界中では何社になるか分からない。もしそれらの企業と事業領域がかぶることがあれば、Googleと新会社のAlphabetはまた新たな係争リスクを抱えることにもなりそうだ。
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