米Googleは10月7日(現地時間)、モバイルWebの劇的な性能向上を目的とするオープンソースイニシアチブ「Accelerated Mobile Pages(AMP)」を発表した。立ち上げ段階で、米Twitter、米Pinterest、米Adobe Systems、世界のパブリッシャー(メディア)大手多数が参加した。
パブリッシャーとしては、BBC、Wall Street Journal、New York Times、Conde Nast、朝日新聞、毎日新聞、産経デジタル、BuzzFeed他、多数が参加している。
Googleは「多数のパブリッシャーが広告付きのリッチなコンテンツメディアを運営しているが、ページの読み込みが遅いと読者が離れてしまい、広告およびサブスクリプションによる売り上げを逃している」ことから、世界中のパブリッシャーとテクノロジー企業と協力し、AMPを立ち上げることを決定したという。
AMPでは1つのコードでプラットフォームや端末の種類を問わず同じようにコンテンツを表示し、動画や画像などのリッチコンテンツで構成されるWebページを動画などの広告と一緒に迅速に読み込めるようにすることを目標とする。
プロジェクトは、既存のWeb技術で構築された新しいオープンなフレームワーク「AMP HTML」を採用する。
パブリッシャー向けの技術仕様はGitHubで公開されている。Webサイトはこれまで使ってきた広告ネットワークをそのままに、ユーザー体験を損なわないフォーマットを採用できるという。
ユーザーはモバイルブラウザでこちらのページでAMPを体験できる。
GoogleはAMPで、快適な速度を保つ広告体験(つまり、“容認できる広告”)のパラメーターを定義するためにパブリッシャーを含む業界全体と協力していく。「われわれはAMPにより、誰もがより良くより速いモバイルWebを体験できるようにすることで、情報の自由な流れを守っていきたい」とGoogleは語る。
米AppleがモバイルOS「iOS 9」で、サードパーティー製アプリを使っての広告ブロックを可能にしたことをきっかけに、Web広告をめぐる議論が活発になっている。
Googleの広告/コマース担当上級副社長のシュリダール・ラマスワミ氏は先月、広告業界のカンファレンスで「広告ブロックは真剣に取り組む必要のある問題だということを認識する必要がある。“容認できる広告”とは何かを協力して定義し、容認できる広告プログラムとはどのようなものになるかを考えていかなければならない」と語った。
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