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2015年10月27日 16時57分 UPDATE

サンマよ、どこへ…… 海水温上昇で漁場が東へ、高値が続く庶民の魚

サンマのおいしい季節――ですが今年は記録的な不漁で“庶民の味方”のはずが高値に。原因はいったい何なのでしょうか。

[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]
Tenki.jp
photo ピカピカのサンマ。でも、今年は小ぶりで、しかも高値

 サンマがおいしい季節です。今年も釧路など道東を中心にサンマ漁が始まっています。安くておいしい庶民の味方のサンマ。でも、今年のサンマはなかなか値が下がりません。しかも、サイズが小ぶりのものばかりで、記録的な不漁が続いています。毎年、浜を賑わしていたサンマ漁ですが、今年のサンマはいったいどこへ行ってしまったのでしょう……。

海水温上昇で、漁場が釧路からはるか東の公海へ 日本近海から遠ざかるサンマ

 水産総合研究センターによると、2010年以前は、サンマの漁場に適した水温の海域が、釧路を中心に道東をすっぽりと覆うようにありました。しかし、2011年以降は道東沖の漁場はほぼ消滅し、北方四島の東側と、北海道からはるか東、北太平洋の公海へと移ってしまいました。

 原因は、海水温の上昇。千島列島沿いを南下し、道東へ流れる親潮(寒流)が減少したことで、南から北上する暖流が、親潮にジャマされることなく流れこみ、道東沖に暖かい海水が停滞して、海水温が上昇しているとみられています。

 そのため、サンマが好む水温(12〜18℃)の海域が東へ移ったため、釧路沖ではサンマの不漁が続いていると考えられています。

外国の大型漁船が公海にやってきて、成長前のサンマを獲ってしまう

 北海道から東へ遠く離れた北太平洋の公海にサンマの漁場が移ると、台湾や中国の大型漁船が操業しはじめました。外国の漁船は1000トンもある大型漁船で、船内に冷凍加工の装備が備わっているものもあるので、長期にわたって操業することができます。

 一方、日本では、サンマが大きく成長して近海に来たところを、200トン未満の小型の漁船で獲っていますが、公海での外国船は、サンマが十分に大きくなる前に「先取り」してしまうので、日本近海にサンマがなかなかやって来ません。これもサンマの資源減少の原因になっているといわれています。

9〜10月の台風で、水揚げゼロの日も

 9月末には台風17号が、10月上旬には台風23号が北海道に接近し、北海道の東部を中心に暴風雨にみまわれたことも、漁獲量減少の一因です。サンマ漁のちょうど最盛期に悪天候が続いたため、漁に出られない日が多く、全国でサンマの水揚げがゼロの日が6日もありました。

記録的な不漁で、浜値は倍以上。サイズも小さく、脂のノリもいまひとつ

 漁場の変化、資源量の減少、悪天候……いくつも原因が重なって、今年のサンマ漁は記録的な不漁です。8月上旬以降のサンマの漁獲量は、去年のこの時期に比べると、48%減の5万5050トン。このままでは、年末までの漁獲量は過去最低の13万5000トンを下回る可能性もあります。

 値段を見てみると、この時期の浜値は1キロあたり100円未満ですが、今年は200円以上になる日もあります。卸市場では例年4キロ入りの箱に23尾を入れて出荷していましたが、サンマのサイズが小さいので25尾を入れますが、1箱の値段が倍近くになっています。さらに、サイズがあまりにも小さいので、4キロの箱では見栄えが悪いこともあり、2キロ入りの箱に切りかえたところもあるそうです。

 去年の12月17日に、海水温の上昇でホッケが獲れないことをお伝えしましたが、ホッケに続き、サンマもピンチになっています。庶民の味、ホッケやサンマが、近々、高級魚になってしまうのでしょうか。さらにサケについては、ロシアの排他的経済水域での流し網漁を2016年1月から禁止する法案が、ロシアで可決されたため、こちらも漁獲量が減少すると思われます。

 北海道の魚といえば、サケ、サンマ、ホッケですが、来年以降、そのイメージが徐々に変わってしまうかもしれません。

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