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「新しいApple TV」のゲームは全て外付けコントローラー対応?

» 2015年10月29日 12時50分 公開
[深町卓史ITmedia]

 米Appleが10月26日に発売した「新しいApple TV」。専用OS「tvOS」を搭載し、開発者が自由にアプリを開発・公開できるのが特徴だが、早くもAppleの審査を受けた一部のアプリ開発者の報告が波紋を呼びつつある。Apple TV向けのゲームアプリは、付属リモコン「Siri Remote」だけでなく、別売りの外付けゲームコントローラーでも操作できないとリジェクト(審査落ち)される――というのだ。

 Appleは新Apple TVの発売に合わせ、対応ゲームコントローラー「SteelSeries Nimbusワイヤレスゲームコントローラ」をApple Storeで同時発売した。これはApple製ではないものの、メニューボタンでApple TVを完全制御できると明記されており、Apple公認の周辺機器となっている。

photo ゲームコントローラーは周辺機器ページのトップで大きく紹介されている

 iPhone/iPadでもゲームコントローラーに対応するアプリはあったが、あくまでオプションであり、画面タッチでの操作が前提となっていた。そのため外付けコントローラーで楽しめるゲームアプリは数自体が少なく、ユーザー数もかなり限られていた。

photo 一部のアプリ開発者に事前配布された開発者用Apple TV

 だが今回、新Apple TVの発売前に配布された開発キット「Apple TV Developer Kit」を使ってアプリを開発したところ、「サードパーティー製のゲームコントローラーに対応していない」という理由で審査落ちになった例が報告されている。この開発者は「付属のリモコンを傾けて遊ぶゲームアプリであり、外付けコントローラーによるボタン操作は次のバージョンで対応したい」と申し出たものの、あえなくAppleに却下されたそうだ。

 Apple TVの付属リモコンだけで完結すると思っていたtvOS用ゲームアプリの開発が、思わぬところで頓挫する形になった。この開発者は「まだ発売前(当時)の新デバイスなので、審査担当者によって違いがある可能性はある。ただ、しっかりと作り込まれたゲームだけをストアに置きたいというAppleの意志なのかもしれない」と話す。

 もし本当に外付けコントローラーへの対応が必須であれば、新Apple TVは、Wii UやPlayStation 4といった家庭用据え置きゲーム機のライバルとして、テレビの使用時間を奪い合う――というAppleの意気込みが表れているのかもしれない。

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