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2015年11月02日 15時29分 UPDATE

名刀「蛍丸」復元プロジェクト、開始1日で2500万円到達「予想以上の反響」 「愛好家として、刀鍛冶としてもう1度その姿を見たい」

現存しない大太刀「蛍丸国俊」を資料を元に復元するプロジェクトがスタート。クラウドファンディングで支援を募り、わずか1日で目標額の約5倍となる2500万円を調達している。

[片渕陽平,ITmedia]

 戦後の混乱で消失した大太刀「蛍丸国俊」を復元するプロジェクトが11月1日にクラウドファンディングサイト「FAAVO」で公開された。開始から1日足らずで、目標額の5倍に相当する2500万円以上が集まり、発起人である刀鍛冶の福留房幸さんは「予想以上の反響で、担当者を含めてんやわんやの状態」と驚きを隠せないようだ。

 蛍丸は、総長が4尺5寸(約136.36センチ)、刀身は3尺3寸4分5厘(約100.35センチ)の大太刀。建武3年(1336年)、武将の阿蘇惟澄が多々良浜の戦いで使用し、ボロボロになってしまったが、無数の蛍が刀に止まり、光に包まれるという夢を見た翌朝、刃こぼれのない美しい姿に戻っていた――という伝説が残っている。以後、熊本県・阿蘇神社に奉納されるも、太平洋戦争後の混乱で行方不明となり、現在現物は残されていない。

 同プロジェクトは、岐阜県関市の刀鍛冶・福留房幸さんが中心となり、現存する資料を基に蛍丸を復元し、2017年春をめどに阿蘇神社へ再度奉納を目指す。

photo 大太刀「蛍丸」の図

「愛好家として、刀鍛冶としてその姿をもう1度見たい」

 90日間で550万円の支援を目指したプロジェクトだったが、1日正午に開始後、午後5時には目標額を達成し、同日中に2000万円を超えた。福留さんは「予想以上の反響で担当者を含めてんやわんや」とうれしい悲鳴をあげる。

 今回のプロジェクトが発足したきっかけは、阿蘇神社の関係者と交友のあった福留さんが「蛍丸を復元したい」と申し出たことだという。「資金が調達できれば」という了承を受け、岐阜県によるクラウドファンディングサイト「FAAVO美濃國」の立ち上げに合わせ、企画した。

photo 「刀剣乱舞−ONLINE−」の公式サイトより

 「蛍丸」は刀剣を擬人化したキャラクターとして、大ヒットブラウザゲーム「刀剣乱舞−ONLINE−」に登場しており、同プロジェクトに関してSNS上ではゲームファンの女性の反響も目立った。

 福留さん自身も「刀剣乱舞」人気については把握しており、「関刀鍛冶伝承館にも、若い女性の来場が目立つようになった。刀剣への関心が高まり、理解が進むことは非常にうれしい」と話す。

 「蛍丸は鎌倉時代の刀工・来国俊が作った数少ない大太刀であり、自身の名や日付を刻んだという記録があることから、自信作だったとうかがえる。戦後に失われてしまったのが1人の愛好家として残念で、刀鍛冶の立場としてもその姿を1度見たいと思った」(福留さん)

 「蛍丸伝説になぞらえ、失われた名刀を多くの皆様と力を合わせて、関市周辺の職人たちの手により復元奉納し、現代版蛍丸伝説を作りたいと考えています」――目標額を上回る余剰金は、こしらえ(鞘や柄などの刀装)制作のほか、刀剣の補修や補完、事業団体の運営に使う予定で、現在詳細を検討中だという。

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