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Airbnbの宿で父親が事故死したライター、シェアリングエコノミーに問題提起

» 2015年11月10日 12時55分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 「私の父はAirbnbの宿で亡くなった。こうした事故は過去に他にも起きている。企業は安全性向上のために何ができるだろうか?」──ロサンゼルス在住のライター兼編集者、ザック・ストーン氏は11月9日(現地時間)、Mediumに自身の体験に基づく長大な考察を投稿した。

 airbnb 1

 同氏は2年前の感謝祭にAirbnbでレンタルしたテキサス州のコテージに家族で宿泊した。父親が庭のロープに腰掛けたところ枝が折れて彼の頭を直撃し、亡くなったという(事故から2年経ってようやく客観的に文章化できるようになったとしている)。

 ストーン氏は、この体験を語ることで、AirbnbやUberを含むいわゆるシェアリングエコノミーの問題を提起している。こうしたサービスは行政に登録される宿泊施設などに求められる厳格な規制や安全基準がなく、定期点検も義務付けられていない。

 Airbnbのホストの責任ページには安全についてホストが守るべき事項がまとめられているが、ホストがこれらの事項を守っているかどうかをAirbnbが定期的に調査するといったことはしていない。

 airbnb 2 Airbnbの「ホストの責任」ページ

 このページの最後には「Airbnbはホストの行動に対して何の権限も持ちません。責任は負いかねますので予めご了承ください。」と書かれている。事故の責任はサービス提供ユーザー(この場合はコテージのオーナー)にあり、Airbnbにはないのだ。

 この投稿について、Airbnbは米TechCrunchなどに対し「これらの事故について知って大変ショックを受け、悲しく思う。われわれは亡くなったゲストとその家族について考え続ける。われわれにとって安全性より重要なものはない。(中略)今後もすべての人々にとってより安全なコミュニティーを構築するために可能な限り努力していく」という声明文を送った。

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