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眼鏡型端末が花盛り 東芝が「Wearvue TG-1」発表 注目は“広視野”ウェアラブルEXPO

» 2016年01月13日 18時32分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「第2回ウェアラブルEXPO」(1月13〜15日、東京ビッグサイト)で、東芝が初となる「Wearvue TG-1」を発表するなど、多数の眼鏡型ウェアラブル端末が出展され、来場者の注目を集めている。従来型の端末が課題とした視野の狭さ、重量感を解決すべく、各社が知恵を絞っている。

photo Wearvue TG-1

 東芝が発表した「Wearvue TG-1」は光学シースルー型の端末で、インフラの保守管理、工場や倉庫内などで作業のハンズフリー化を目指す。実売予想価格は21万6000円。出荷開始は2月29日を予定。

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 投影装置を側面後方に配置し、右目のハーフミラーレンズに映像を映し出す。従来型の端末と違い、投影装置がレンズの前を覆い隠すことがなく、広い視野を確保した。投影角度を調整するPA機構(パーソナルアジャスター)も搭載し、顔形状や眼間距離がさまざまな日本人成人の98%をカバーできるという。

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 Windows端末とmicro HDMI、電源をmicro USBで接続して使用する。長時間使用する場合は市販のモバイルバッテリーを利用できるほか、テンキーやバーコードリーダー、カメラなどの機器とも組み合わせることが可能だ。Windowsで動作するアプリケーション開発に必要なSDKも無償提供する。

 反射レンズの厚さは2.7ミリ、透過率は70%、入力解像度は1280×720ピクセル。サイズは167.9(幅)×162.5(奥行)×38(高さ)ミリ、重さは50グラム。長時間の作業でもストレスなく使えるように、軽く快適な装着感を目指したという。

 サン電子は、拡張現実(AR)技術を応用した眼鏡型端末「AceReal」を参考出展する。1280×720ピクセルの薄型ディスプレイを眼前に搭載し、3Dデータを大きく映し出すことで、視界を妨げないのが特徴だ。イスラエルの子会社Infinity AR、業務提携するLumusと共同で端末とアプリの両方を開発し、設備の保守や医療現場などへの活用を見込む。

photo AceReal
photo 3DデータをPCから眼鏡型端末のディスプレイに送信する仕組み。会場のデモでは、エンジンの3D映像を使用。

 ブラザー工業は、片眼タイプで広い視野を確保した「AiRScouter WD-200A」を出展。頭部全体で固定でき、荷重を分散させたほか、ディスプレイの傾きを調整するフレキシブルアームを採用し、重さは145グラムに抑えるなど、長時間装着しても負荷が少ないデザインに仕上げた。

photo AiRScouter WD-200A
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 メガネスーパーは「視覚拡張」をコンセプトに、左右にディスプレイを搭載する「b.g.」を開発。眼鏡専門小売チェーンならではの知見を生かし、ディスプレイ位置の可変性を追求したほか、着用時のバランスや脱着部に磁石を採用――など、かけ心地を重視する。会場ブースでは、ゼンリンの地図データを組み合わせ、観光地周辺の地図や情報を多言語で表示するデモも行う。

photo b.g.
photo ゼンリンとアプリを開発し、スマートフォンから地図データをディスプレイに送信する。

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