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古生代の珍生物「タリーモンスター」、半世紀の“謎”に終止符 実はヤツメウナギの仲間週末サイエンス

» 2016年03月18日 14時01分 公開
[ITmedia]

 半世紀以上、構造がはっきりと分かっていなかった謎の生物「タリーモンスター」の復元図や構造が明らかとなった。無脊椎動物という従来の定説を覆し、脊椎動物のヤツメウナギの仲間にあたるという。

photo 「タリーモンスター」の復元図

 「タリーモンスター」は、1950年代にアメリカのイリノイ州で、アマチュア考古学者フランシス・ターリー氏が発見した10センチほどの化石に含まれていた生き物。古生代後期の石炭紀(約3億5920万年〜2億9900万年前)の地層から発見され、海に生息したと考えられたものの、構造が奇妙な上に、現生の生物との比較も難しく、系統樹のどの過程に位置する生物なのか、半世紀以上にわたり考古学者を悩ませてきた。

 英レスター大学や米イェール大学などの研究グループによって、歯が並んだ2本の吻(ふん)、左右に大きく離れた目の構造、えら袋と尾ひれ――といった姿が判明。背骨のような構造も確認し、「巻貝のような無脊椎動物の仲間ではないか」という半世紀以上続いた議論に終止符を打ち、脊椎動物・ヤツメウナギの近縁にあたると結論付けた。

 成果は、科学誌「Nature」電子版に16日付で掲載された。

編集部注:お詫びと訂正

初出時、タイトルを「古生代の珍生物『タリーモンスター』、半世紀の“謎”に終止符 実はウナギの仲間」としておりましたが、正しくは魚類ではなく円口類に属する「ヤツメウナギ」の仲間でした。お詫びして訂正いたします。


photo 系統樹で、ヤツメウナギの近縁にあたると判明
photo 歯が並んだ吻(ふん)の部分

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