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東京都内の大規模停電、地下ケーブルの発火が原因か 経年劣化の可能性も

» 2016年10月13日 12時19分 公開
[ITmedia]

 東京都内で10月12日午後3時30分ごろ発生した大規模停電について、東京電力は同日、埼玉県内に埋設した送電ケーブルが発火して起きた火災が原因になった可能性があると発表した。施設の経年劣化の可能性も考慮し、今後調査するという。

photo 送電ケーブルが通っている「洞道」(東京電力のニュースリリースより)

 停電は12日午後3時30分ごろ発生。板橋区、北区、新宿区、杉並区、千代田区、中央区、豊島区、中野区、練馬区、文京区、港区で、ピーク時には最大約37万戸、延べ約58万戸が停電した。午後4時25分ごろには復旧したが、一部の交通機関が運転を見合わせるなどの影響が出た。

photo 停電したエリア

 東京電力によると、停電の原因は、埼玉県の新座変電所と都内の豊島変電所、練馬変電所をつなぐ送電ケーブルが通る「洞道」での火災。その原因は、地下約6.2メートルに埋設した送電ケーブルからの漏電と考えているという。13日午前0時21分に鎮火を確認している。

photo 新座変電所と豊島・練馬変電所の間の送電ケーブルにトラブルが起きたとみられる

 送電ケーブルは、電流が流れる金属製の「導体」に幾層もの「絶縁紙」を巻き付けた構造になっている。ケーブルの中央には「油通路」が通り、絶縁紙に油が染み出すことで、電流が外に漏れるのを防いでいる。だが、何らかの原因で絶縁紙にヒビのようなものが入り、電流が外皮部分に穴を開け、火花が飛び引火した可能性があるという。

photo 送電ケーブル

 火災が起きた施設は、建設から35年が経過している。年に1回の定期点検を行っているが、直近の点検(今年6月)では異常は見つからなかったという。第三者の侵入は考えにくく、経年劣化の可能性も含め、詳しい原因を調べるとしている。

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