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“松の木と恋する”恋愛ゲームも!? 盛り上がる「自作ゲーム」文化、投稿サイトで人気後押し ドワンゴ「RPGアツマール」公開(1/5 ページ)

» 2017年01月20日 08時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「俺の雄花が熱い……!? 受粉しちまいそうだ……」「俺のむき出しの胚珠を包む子房になってくれないか」――イケメンの声でしゃべる6本の松の木と恋するという、“前代未聞”の恋愛シミュレーションゲームをご存じだろうか。

 タイトルは「チクッ 松に恋する受粉前」(松恋)。ヒロインが松の木に“壁ドン”されたり、いきなりゲームの映像が実写になったり――と、独特の世界観やギミックが特徴だ。ネット上では「発想が面白すぎる!」「どこからツッコミを入れればいいんだ!」などの声が上がっている。

photo 「チクッ 松に恋する受粉前」のゲーム画面より

 そんな話題作を制作したのは、大手ゲームメーカーではなく、個人のクリエイターたちだ。個人や少人数のチームが開発する、こうした「自作ゲーム」は、近年じわじわとファンの間で存在感を高めている。

 ニコニコ動画などの動画投稿サイトでは、自作ゲームの「実況動画」が相次いで登場。実況動画がきっかけで人気に火がついたゲームも少なくない。それらの中には「青鬼」「ゆめにっき」など、書籍化やアニメ化、映画化につながった作品もある。

 こうした自作ゲームの文化を盛り上げようと、ドワンゴが昨年11月、自作ゲームの投稿サイトをオープンした。その名は「RPGアツマール」。個人がゲーム制作ソフト「RPGツクールMV」で作ったオリジナルゲームを投稿すると、他のユーザーがPCのWebブラウザかスマートフォン(Android/iOS)で遊べる仕組みだ。

photo 自作ゲームの投稿サイト「RPGアツマール」。個人が「RPGツクールMV」で作ったオリジナルゲームを公開できる

 オープンから約1カ月間で、投稿された自作ゲーム数は300以上、総プレイ回数は100万回を突破。冒頭で紹介した「松恋」をはじめ、話題作も生まれつつある。

 「自作ゲームを世の中でもっと認めてもらいたい。クリエイターさんの社会的地位をもっと上げたい」――そう話すのは、ドワンゴ 第一企画開発部 ゲーム制作セクションの吉澤純一さんと伊豫田旭彦さん。RPGアツマールはどんなサイトなのか、取り組みを聞いた。

「やってやったぜ!」と思える「コメント機能」

 RPGアツマールの特徴の1つは、遊んだユーザーがゲーム画面に感想を書き込めることだ。ユーザーが書き込んだコメントは、ニコニコ動画と同様、右から左に流れるようにして画面に表示される。

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