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2017年03月23日 15時19分 UPDATE

攻殻機動隊「タチコマ」リアル再現、8分の1サイズで発売 音声認識でおしゃべり、“並列化”も (1/2)

スマホで遠隔操作したり、少佐の物まねをしたりする機能も。

[片渕陽平,ITmedia]

 家電ベンチャーのCerevoは3月23日、アニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズに登場する小型多脚戦車「タチコマ」を約8分の1のサイズで再現した「うごく、しゃべる、並列化する。1/8 タチコマ」の予約販売を始めた。スマートフォンアプリで脚や車輪を遠隔操作できるほか、音声認識機能を備え、ユーザーと自然な会話が楽しめるという。価格は15万7400円(税別)。発送は6月の予定。

photo うごく、しゃべる、並列化する。1/8 タチコマ
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 タチコマは、人工知能(AI)を搭載し、4本の脚と2本の腕、機関銃などを装備する――という架空の兵器。新商品は、脚部や物をつかむ腕(マニピュレータ)などに15個のサーボモーターと6個のDCモーター、計21個のモーターを備え、電動駆動する。作中で主人公の少佐たちが乗り込む背部のポッド部分も左右に振れるほか、目に相当する映像センサーも上下左右に動く(3方向のうち正面のみ)。

 4本脚の下部には車輪を備え、スマートフォン向け専用アプリ(iOS/Android)で遠隔操作して動かせる。狭い場所でも、その場で小回りする「超信地旋回」も可能だ。

 無線LANでネットに接続し、音声認識エンジンと音声合成エンジンを使い、ユーザーが話した言葉の意味を解釈して返答する機能を備える。「歌って」と話しかけると「手のひらを太陽に」を歌い出したり、少佐の物まねをしたりなど、攻殻機動隊の世界観を取り入れたせりふをしゃべるという。キャラクターボイスは、アニメと同じく声優の玉川砂記子さんが担当。600種類の音声を録り下ろした。

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 本体に画像認識用のセンサーも搭載。例えばレモンを見せながら「これは何?」と話しかけると、Cerevoのサーバに接続し、画像データベースと照合して物体を判定。「これはレモンだよ」と答えるという。

 あるタチコマが記憶したことを、別のタチコマも共有する――という作中のタチコマの機能「並列化」も再現。例えば、あるユーザーが自分のタチコマに「レモンは甘いんだよ」と教えると、Cerevoのサーバ上で、レモンの画像と「甘い」という追加情報を結び付ける。その後、他ユーザーのタチコマにも情報が共有され、そのタチコマにレモンを見せると「知っていますよー、レモンでしょ? レモンは甘いんだってね」と話すようになるという。

 このほか、Googleカレンダーと連携してユーザーのスケジュールを読み上げたり、天気予報を教えてくれたりする機能も用意。「○○って何?」と質問すると、Wikipediaを使って調べてくれるという。

 本体サイズは約352(幅)×約249(高さ)×約391(奥行き)ミリ、重量は約1.5キロ。バッテリー駆動時間は約6時間。主砲カバーの取り外しも可能。

 本体のバンパー部分や砲身カバーにアルミ削り出しのメタルパーツを組み込んだ「Special Edition」も数量限定で販売する。17万7400円(税別)。

photo Special Editionは、本体のバンパーなどがアルミ削り出し

 1/8 タチコマは「SENSORS IGNITION 2017」(3月23日、虎ノ門ヒルズ)、「Anime Japan 2017」(3月25〜26日、東京ビッグサイト)で実機展示される。

「おもちゃと言われるとムッとする」

 「大好きなアニメのフィギュアや模型を『おもちゃ』と言われるとムッとする」――Cerevoの岩佐琢磨CEOは「そう思われたくない」という願いを、1/8 タチコマに込めたと話す。「機能面でも価格面でも、おもちゃではなくロボットに近い」。

photo Cerevoの岩佐琢磨CEO

 「最近のアニメや映画には、AI(人工知能)やVR(仮想現実)などの技術が当たり前に登場し、ネットと結び付いている作品も少なくない」と岩佐CEO。そうしたものを再現するには「家電製品を作る技術を生かさないとダメ」という。

 1/8 タチコマは、同社が手掛ける家電製品の開発技術を応用し、映画やアニメ作品に登場するアイテムを現実世界で再現するという同社のプロジェクト「S2R」(From screen to the real world)の第2弾にあたる。第1弾でアニメ「PSYCHO-PASS」の拳銃を再現した「ドミネーター」(昨年2月発売)は、約8万円と高額ながら世界10カ国以上で数千台を売り上げているという。「S2Rプロジェクトは、Cerevoの収益の柱になっている」(岩佐CEO)。

 「フランスで開催したイベントでは、1000ユーロを握りしめて、血走った眼でドミネーターを買いに来たファンもいた。世界中の人たちと共通の趣味でつながっていることがうれしかった」

 今回のタチコマは「あくまで攻殻機動隊のファンがターゲット。売り上げ台数は正直読めないところもある」という。「最低でも数千台は売りたい。他社がこれまでやっていないことをやるのが、私たちスタートアップの使命だと思っている」(岩佐CEO)。

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