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2017年03月24日 17時00分 UPDATE

アニソン聴き放題「ANiUTa」登場 大手レコード会社らが新会社 「ファン人口、減るのが一番怖い」 その狙いは

アニメファン長年の悩み「定額制音楽配信サービスはアニソンが少ない」に福音か。

[山口恵祐,ITmedia]

 アニメソング(以下、アニソン)を取り扱う大手レコード会社ら10社は3月24日、共同で新会社を設立し、アニソンに特化した定額制音楽配信サービス「ANiUTa」(アニュータ)をスタートしたと発表した。楽曲は専用アプリ(iOSAndroid)で視聴できる。有料プランの料金は月額600円(税込)。

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 人気アニメ「ラブライブ!」「マクロス」「ユーリ!!! on ICE」「進撃の巨人」など、アニソン、ゲーム音楽、ボーカロイド、特撮に関連する楽曲を5万曲以上取りそろえる。そのうち約2万曲は、他社を含む定額制サービスでの提供が初めてとなるという。有料会員は全曲が“聴き放題”になり、無料ユーザーは楽曲検索と試聴のみを行える。

 テレビアニメ放送と連携した先行配信やコラボレーション楽曲など、ANiUTaオリジナルコンテンツを用意。有料会員特典として、コンサートチケットの優先予約や限定グッズ販売なども予定しているという。

 アプリは、アニメ作品名検索や楽曲のキャッシュ機能、歌詞表示、プレイリスト作成機能などを搭載。楽曲再生はストリーミング形式で、ビットレートはアプリの設定で128/320kbpsから選べる。

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 新会社の名称はアニュータ(東京都渋谷区)。JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント子会社のフライングドッグ、エイベックス・ピクチャーズ、KADOKAWA、サンライズ音楽出版、東映アニメーション音楽出版、東宝、フロンティアワークス、ポニーキャニオン、マーベラス、バンナム子会社のランティスの10社が、出資や楽曲提供で参画する。

 まずは日本国内だけでサービスを提供。海外でのアニメ・アニソンライブの需要拡大を受け、17年度末までに「日本発の音楽配信サービス」として海外進出を目指すという。

「アニメ人口が減るのが一番怖い」 サービス発足の狙いは

photo フライングドッグ代表取締役の佐々木史郎社長

 アニュータ代表を務めるフライングドッグの佐々木史郎社長は、新サービス発足のきっかけについて次のように話す。

 「『メーカーを横断して何かやりたいね』とランティスの井上社長と話す中で、出てきたアイデアがサブスクリプション(定額制)サービス。発想から1〜2年かけて実現した」(佐々木社長)

 ANiUTaはアニメ関連に特化することで、既存の音楽配信サービスとは異なる新市場の開拓を狙う。佐々木社長によれば、「Apple Music」「Google Play Music」「Spotify」など定額制音楽配信サービスが増えているが、海外を含むアニメファンが満足するサービスを追求することは難しく、自らプラットフォームになることを目指してプロジェクトを立ち上げたという。

 「定額制音楽配信サービスは『楽曲が多ければ多いほど良いもの』となりがち。ANiUTaはアニメ特化型で、専門性とアニメへの愛が売り。この事業は可能性があると確信している。今風に言えば、『お客さんはアニソンが好きなフレンズなんだね!』(会場、苦笑い)」(佐々木社長)

 一方、定額制サービスを展開することでCDの売り上げが落ちるのではとの声もある。佐々木社長は、若年層の音楽の聴き方に注目したという。

 「われわれはCDを売る会社。(指摘されるような)怖さは持ったままサービスをスタートするというのも正直ある。今の10代はCDをあまり買わなくなったが、ライブに行ったりグッズを買ったりと、購買行動をしないわけではない。私も定額制サービスを利用しているが、気に入った曲は実際に買ったりしている。CDの購買にもつながるのではないか。一番怖いのはアニメやアニソンが好きな人口が減ること。ANiUTaによって若年層のファン獲得につなげたい」(佐々木社長)

 「数十年、音楽制作に携わってきたが、ここまでやってこれたのはアニメとアニソンのおかげ。恩返しがしたいと思っていた。現場でアニメやアニソンを作っている若い世代に残せるサービスにしたい」(佐々木社長)

photo 記者向け説明会に出席した声優・アーティスト。左から吉岡茉祐さん、三森すずこさん、鈴木みのりさん、諏訪ななかさん、駒形友梨さん

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