「ただユーザーの曲の好みを理解しているだけではダメ」――Google日本法人は12月7日、定額制音楽配信サービス「Google Play Music」の取り組みについて説明した。11月にAndroid/iOS/Webアプリをアップデートし、機械学習によってレコメンド機能を強化。アップデートから約3週間経って得られた成果を明かした。
Google Play Musicは、2013年に米国でスタートし、日本には昨年9月に進出。国内外のメジャー/インディーズレーベルが提供する4000万曲以上を月額980円で提供している。
これまでも、ユーザーの再生履歴に基づき「好みに近い楽曲」をレコメンドしていたが、11月のアップデートではそれらに加えて機械学習を採用。ユーザーの位置情報やその地域の天気、時間、端末情報などから、シチュエーションに合った曲を薦めるレコメンド機能を搭載した。
例えば、職場では「歌詞がなく仕事に集中しやすい曲」、空港のフライト前は「リラックスする曲」などをレコメンドするという。この機能はユーザーが自ら設定(オプトイン)することで有効にできる。
「新機能を実装してから、ユーザーの滞在時間が10%以上増えた」――米Googleのエリアス・ローマンさん(Google Play Music リードプロダクトマネージャー)はそう話す。「他社の音楽サービスだと、前回聞いた曲のデータに基づいて何度も同じ曲を聞くことになるかもしれない。だが、Google Play Musicは“ムード”を理解し、その瞬間に最適化した音楽を提供できるのが強み」。
Google Play Musicが日本でサービスを始めてから1年以上経った。ローマンさんによれば、日本ならではの成果も表れつつあるという。
Google Play Musicでは、アーティストごとのアルバム、ユーザーが自由に作成するプレイリストのほか、同社の音楽エキスパートが手動で作成したプレイリストも用意している。ローマンさんによれば「日本ではエキスパートによるプレイリストが人気」など好みの傾向がつかめてきたという。
また、Google日本法人の鬼頭武也さん(ミュージックパートナーシップマネージャー)は「それまでサブスクリプションサービスに楽曲を提供していなかったアーティストにも理解いただき、許諾を得てコンテンツを増やしている」「(他社サービスと比べて)独占コンテンツで差別化する意図はなかったが、結果としてGoogle Play Musicでしか聴けない曲も提供できている」と話す。
「音楽エキスパートによるコンテンツの拡充とともに、よりレコメンドの精度を上げるために機械学習に投資していきたい」(ローマンさん)
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