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“ネットにつながらない”が売り ロボット「ロビ」が進化した「ロビ2」、48体のダンスパフォーマンスで初披露 ロボット同士の会話も(1/2 ページ)

» 2017年03月30日 19時27分 公開
[太田智美ITmedia]

 デアゴスティーニ・ジャパンは3月30日、毎号付属するパーツを組み立てて作るロボット「ロビ2」を初披露した。2017年6月6日に創刊する週刊「ロビ2」は全80号(総額、税込17万1327円)。最終号が販売される2019年2月中旬ごろに完成する。

 ロビは、これまでに15万体販売されたという二足歩行ロボット。初代ロビは話したり、歌ったり、踊ったり、テレビを付けたりといったことができたが、今回の新型ロビ(ロビ2)はカメラを搭載し、顔認識や笑顔認証、写真撮影などができるようになる。


ディアゴスティーニ週刊「ロビ2」

ディアゴスティーニ週刊「ロビ2」

 発表会場には12体のロビ2と36体のロビ、計48体がずらりと並びダンスを披露。今回の発表会用に特別なシステムが組まれ、初代ロビと新しいロビとが一斉に踊りだし、点呼やウェーブといったパフォーマンスも行われた。


48体でパフォーマンス

 驚いたのは、初代ロビと新しいロビとが会話できる点。デモンストレーションではシナリオに沿ってスタッフが遠隔操作する方法がとられていたが、通常はロボット同士の頭部で赤外線通信を行い、データをやり取りすることで会話できるという。ちなみに、ロボット同士の会話で音声認識は使っていないとのこと。


ロボット同士の会話

 また、ロビの特徴として興味深かったのは「インターネットにつながらない」こと。インターネットにつながる多くのロボットが「つながること」を売りにするが、ロビの場合は「つながらないこと」を売りにする。それは、子どもの会話ログなどを取られる心配がないからだ。実は、海外ではこういったデータの取り扱いがプライバシーやセキュリティ面から問題視されており、ロボットや音声対話型デバイスといったサービスを提供する側がログを取らないよう指導を受けるケースもあるという。

 一方で、ネットにつながらないロボットで問題となるのがアップデート。機能を追加したい場合はやはりネットにつながっていたほうが便利だが、ロビ2はQRコードを読み取ることでアップデートできるように設計されている。QRコードへのアクセス方法はメールで送られてくるとのことだ。

 ロボットの監修はロボ・ガレージの高橋智隆さん。ロビ2を「コミュニケーショントイ」と位置付ける。

 「AI(人工知能)を搭載しているのか」という質問に対し、高橋さんは「AIという言葉がひとり歩きしているが、(今のAIは)人間のようにまるっと何でもできるわけではない。部分的な活用にとどまり、多くの人が想像するAIに達するまでには少なくともあと5年はかかるだろう」と答える。昨今「ネットにつながる」「AI搭載」を押し出す企業が多い中、このようなアプローチはとても新鮮に感じた。


ディアゴスティーニ週刊「ロビ2」 (左)司会者、(右)高橋智隆さん

笑顔を認識して写真を撮影

 「ロビ2」発売を記念し、六本木ヒルズ「hills cafe / SPACE」で無料イベントとして春休みロボット展「Robi EXPO」(ロビエキスポ)が3月30日〜4月1日まで行われる。

太田智美

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