散財はしたいけど金がない。そんなカジュアル散財er向け連載の「千円で散財」。 IT関係・無関係グッズを実際に買って紹介しようという連載企画だが、今回は少女漫画雑誌の『なかよし』(講談社)を買ってみた(4月3日発売の5月号、税込580円)。
「ITmediaでなかよしとはこれいかに?」と思うかもしれないが、最近の少女漫画誌の付録はとにかくすごいのだ。2016年12月28日発売のなかよし2月号では、筆ペンやホワイトペン、原稿用紙といった各種画材をそろえた「まんが家セット」が付録になっていたし、最近では、『ちゃお』(小学館)4月号に同梱された、ロボット掃除機のように自動走行や方向転換をする「卓上掃除機」が話題となった。
そして、今回の付録は「録音可能な“しゃべる”交換日記」。スマホ型の録音カードで音声を録音・再生でき、タブレット型の交換ノートで友達と交流できる。会社の自席でそんなイマドキな付録を眺めていたら、向かいの席に座る後輩のK記者とY記者が視界に入る。
2人は共に新卒入社の同期。同期というのは、何でも話せる仲間であり、時に切磋琢磨しあうライバルともいえる。しかしこの2人、隣同士の席なのに、あまり雑談をしているところを見たことがない。真面目に仕事をする姿勢は素晴らしいが、もう少し交流を深めてもいいのではないか? と思うことが時々ある。「しゃべる交換日記」を使えば、2人の距離が縮まるのではないか──。
興味津々にイマドキな付録を眺める2人だが、どこかぎこちない。実際に録音カードを使ってもらったが、どうやら「ボタンを押している5秒間だけ録音でき、再生ボタンを押して再生する」という仕様らしい(都度上書きされる)。交換ノートにも遊び方が書いてあったが、「好きな人に逆さ言葉で告白しよう!」とあったので、そっと閉じた。
最初はぎこちない2人だったが、「この録音カードの中身はどうなってるんだろうね」などと、製作者が意図しない方向で意気投合し始めた。ガジェット好きの2人は根っこで通じ合っているらしい。カードの中身は、小型マイクやボタン電池などで構成されていた。
実は、このなかよし4月号を置いていったのは、NEWS編集部のベテランM記者。こうなることを見越した上での「同期とはなかよくしろよ」という老婆心故のメッセージだったのかもしれない。
(※この物語はフィクションであり、K記者とY記者は「なかよし」です)
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