マストドン会議2レポートの「その2」は、ピクシブを中心に進める。ITmedia NEWSでも4月16日と17日に取り上げた、Pawooを中心とした日本のエッチ絵問題の現況について、ピクシブの登壇者から説明が行われた。
「Pawooは孤立していると言われているが、世界でも3番目につながっている」とピクシブのリードエンジニアでPawooプロダクトマネージャーの清水智雄(norio)さんは説明する。
そういう印象を持たれる原因となったのは、「Mastodon開発者とpixivのPawoo、ロリ絵対策について議論する」で取り上げた、エッチ画像問題だ。Mastodonの作者であるオイゲン・ロッコさんとピクシブとのトゥート対話で始まり、GitHubのイシューに議論の場が移されたが、そこでどのような結論が出されたのかについて、詳細な説明が行われた。
オイゲンさんが発行したイシュー「Media content caching strategy」は4月15日にスタートし、20日頃にはほぼ議論が出尽くしている。
清水さんはそこで行われた議論を次のように解説。
国によって不適切と扱われてしまう画像をどう扱っていくのかを、思想などを抜きに技術的に改善できないかということで議論が進んだ。
リモートフォローした画像がインスタンスごとに流れてくるのをキャッシュしない、サーバには保存しないということであれば、法律的にもセーフなのではないかということになり、管理画面にそういうオプションが追加された。
このインスタンスはOK、このインスタンスのメディアはキャッシュしないといった細かい設定ができるようにしてくれたので、基本的に問題が解決した。
ぼくらがいなくてもそういう問題が起きたはず。例えばアメリカのインスタンスが無修正の画像を扱っていて、それをぼくらのサーバで保存した場合には日本の法律的にはアウトになる。そういったことを事前に防げるようになったというのは、いいきっかけにはなったのでは。
ピクシブ リードエンジニアの道井俊介(harukasan)さんがキャッシュについてさらに詳しい説明を加える。
問題となっていたのは、海外のサーバ上に画像を保存すると、その業者がその画像を配信することになるという点。その場合、基本的にはサーバが置かれている国の法律に縛られるので、ヨーロッパのサーバにPawooから保存されてしまい、そこから配信されると問題になる。
キャッシュしないというのは、Pawooの画像のURLだけが貼ってある状態で、ユーザーはPawooのサーバから見ることはできるということ。それはぼくらの法律に基づいて運用すればよい。海外のサーバには迷惑がかからない状態になる。
そういうわけで、1カ月前に浮上した「ロリ絵問題」は、既に「技術的に」解決済みであることが明らかになった。キャッシュの問題ではない、児童ポルノの問題なのだと主張してMastodon自体から去っていく管理者もいたが、1つの大きな壁を乗り越えることには成功したようだ。
あ、またこのレポートは終わらなかった。明日も続くかも。マストドン会議2の内容が濃すぎたせいだ。懇親会で拾ったネタだけで書いた太田記者の記事が面白いことからもわかるだろう。
6月のマストドンイベント4連チャンが今から思いやられる。
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