この記事は、「STORIA法律事務所」のブログに掲載された「自動運転で事故した場合、運転手に法的責任はあるのか?」(2016年8月10日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
自動運転車で事故が起きた場合、運転手は責任を負わないのでしょうか。少なくとも現時点で市販されている自動運転車では、運転手は一定の責任を免れないと考えられています。
2016年5月7日、米Tesla Motors(テスラ)の自動運転機能(オートパイロット)を搭載した自動車「モデルS」の運転手が死亡する事故が起きました。
“5月7日にフロリダ州ウィリストンのハイウェイで、Model Sのドライバーが自動運転機能の利用中、Model Sの前方に直角に割り込んできた大型トレーラーに巻き込まれてドライバーが死亡した”
“当該事故では「晴天の光を反射する白いトレーラーの側面に自動運転機能もドライバーも気付かず、ブレーキが作動しなかった」”
よく勘違いされがちなのは、2016年時点、市販されている自動運転車はまだ一部の機能のみが自動運転であって、完全自動運転には程遠いという事実です。
ここで米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA)が定義する自動運転車のレベル(0〜4)を整理しておきましょう。2016年8月時点で市販されているのはレベル2まで、レベル4(完全自動運転)の市場投入はまだ先です。
テスラジャパンによると、死亡事故が起きたモデルSは、レベル2(アクセル・ハンドル・ブレーキの複数をシステムが行う)にあたり、完全自動運転ではありません。
テスラ自身、モデルSのオートパイロット時にはハンドルに手から離さないように求めており、運転手の注意義務は変わらず存在します。すなわち、レベル2クラスで気を抜くと、以下の動画のようになるわけです。
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