360度から超音波、乳がん検査をより高精度に 日立が新技術
日立製作所は5月24日、360度から超音波を照射し、乳がん検査を行う技術を開発したと発表した。1方向からしか超音波を出せない従来の検診システムと比べると、より高精度な検査が可能という。イヌを使った実験では、約5ミリの腫瘍を検出することに成功したといい、今年4月には人間による臨床実験をスタート。検査装置の実用化を目指す。
受診者が装置にうつぶせになり、水を満たした検査容器に乳房を入れると、容器外の360度から超音波を照射。音波の反射方向や強度などを分析し、腫瘍の硬さ、粘性、表面の粗さを計測する。従来の超音波では計測が難しかった乳腺内のわずかな石灰化も検知が可能という。
装置が自動でスキャンするため、検査者の熟練度に依存しない検査が可能という。超音波検査は、マンモグラフィ検診と比べると放射線被ばくの恐れがなく、痛みも少ない。将来的には、超音波画像の解析時間を高速化する別の技術とも組み合わせ、検診時間を短縮できるとしている。
装置は、超音波を出すデバイスと乳房を入れる容器が分離した構造を採用。容器の消毒・殺菌がしやすく、複数の受診者が同じデバイスを使っても、病気感染のリスクを抑えられるよう設計した。容器が超音波の伝搬に与える影響も考慮し、検査結果に反映する仕組みも備えるという。
研究成果の一部は「日本超音波医学会第90回学術集会」(5月26~28日、栃木県宇都宮市)で発表される予定。
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