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「呼吸」が見えるウェアラブルウェア開発 無呼吸症候群の早期発見に活用

» 2017年06月19日 19時15分 公開
[ITmedia]
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 特殊繊維を手掛けるミツフジ(京都府精華町)は6月19日、工業用ゴムを扱う朝日ラバー(さいたま市)、埼玉大学と共同で、呼吸波形を計測できる衣服型ウェアラブルデバイスの開発を始めたと発表した。医療分野での活用を見込み、睡眠時無呼吸症候群の早期発見・治療につながる可能性があるという。2019年4月以降に発売する予定。

 ミツフジが開発した心電、心拍、活動量を計測できる特殊なウェアラブルウェアに、呼吸運動を計測する「ゆがみセンサー」を内蔵。体に密着した衣服の伸縮を検知することで、呼吸波形を計測する仕組み。

 睡眠時の無呼吸状態を調べるには、センサーや電極を全身に取りつけて眠る「睡眠ポリグラフ検査」などの方法があるが、検査が泊まりがけで費用も高額になるなどの課題があった。これに代わる簡易的な検査手法もあるが、データ収集の精度に課題があったという。

 新開発のウェアラブルウェアは、内側に、導電性と柔軟性を兼ね備える独自開発の導電性繊維「AGposs」を採用。電極や配線を柔らかい素材に配置し、呼吸などの生体情報を取得できるようにした。睡眠ポリグラフ検査を簡素化し、睡眠時無呼吸症候群の早期発見や早期治療の促進を目指すとしている。

photo ミツフジが開発した既存のウェアラブルウェア。心電、心拍、活動量を測定できる

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