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2017年06月20日 07時00分 UPDATE

Mogura VR出張所:【体験レポ】“初音ミクと暮らす”VR「Mikulus」 日本のVR先駆者GOROman氏が開発

日本のVR界の先駆者ともいえるGOROman氏が開発した「Mikulus」は、VR映像の中で初音ミクと触れあうことができる。VRで初音ミクはどう振る舞うのか。

[Mogura VR,ITmedia]

この記事は、「Mogura VR」で2017年6月13日に掲載された「【体験レポ】VRCアワード個人部門 最優秀賞受賞『Mikulus』を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

連載「Mogura VR出張所」

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 言葉や絵を記す方法は石板、木版、紙からディスプレイへと、より場所を取らず便利な方向へ変化してきました。

 しかし、ディスプレイの中のウィンドウをいくつも開けても、複数にまたがるウィンドウで作業をするのは煩雑。マルチディスプレイの数も有限です。

 こういった現実に縛られず、自由な作業環境があったら、今までより効率的になり、新たなインスピレーションが得られるのではないでしょうか。作業中、いつも隣に好きな人がいたら、とっても楽しいのではないでしょうか。

ミク

 2017年6月1日(木)に御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンターで開催された、「VRクリエイティブアワード2017」で、「Mikulus」はVRCアワード個人部門最優秀賞を受賞しました。

 VRクリエイティブアワード2017は、VRコンソーシアムが主催、VR業界をけん引するVR作品の発掘やクリエイターの支援を目的として開催され、2017年で3回目です。

 以前にも何度か展示されたコンテンツもありますが、新しい部分があったり、展示機会が少なかったりしたコンテンツなど、気になった展示を紹介していきます。

「Mikulus」とは

ミク

 「Mikulus」は、「初音ミクと暮らす」=「Mikulus(ミクらす)」というコンセプトで、VRのエバンジェリストであり開発者でもあるGOROman氏こと近藤義仁氏が2016年から制作しています。「VR時代におけるワークスペースおよびクリエイティブな環境とは?」がテーマになっています。

 現在Oculus Rift用にα版が配布されています。VR内のディスプレイを映画のスクリーン並みに大きくして、PCでWordやExcelを使ったり、動画を見たりできます。隣にいるミクさんは息をし、心臓の音も聞こえるため、まるで生きているようです。

 キーボードもマウスも見えない状態で作業することだけが大変ですが、空間内はミクさん以外誰もいないので、集中でき、疲れても隣で好きなようにくつろいでいるミクさん(眠ったりすることも)がいると元気になれます。

 今回の展示では、MikulusはOculus Rift専用VR ハンドコントローラーOculus Touch(以下Touch)に対応し、ミクさんを触ったり、ファイルを手で引き出したりすることができるようになりました。

ミクさんのツインテールやアホ毛に触れる

 今までは、ミクさんのツインテールを自分の頭で持ち上げたりしていましたが、Touchにより、手で持ち上げたりなでたりできるようになりました。前髪を上げたり、アホ毛を触ったりと、現実でやればうっとうしいと嫌がられることも、VRなら怒られません。いつまでも弄っていたくなります。

ファイルを手で引っ張る

 ディスプレイに表示されたファイルエクスプローラは、普通のディスプレイと同じですが、Touchから出たレーザーを開きたい画像ファイルにあて、右手Aボタンを押すと、ディスプレイの外へ。ミクさんの絵が紙人形のように空中に立っています。

 そのままミクさんを好きな場所に運び、拡大縮小は親指のスティックを前後に倒すのみ。両手を開いたり閉じたりすることで、拡大縮小する方法もありますが、スティックを前後に倒す方が慣れると楽です。

 動画ファイルは同様に取り出すと、ファイルごとにディスプレイに再生され、音もディスプレイから出ているように聞こえてきます。拡大縮小も複数置くことも自由ですが、自分が見ているディスプレイ以外は小さくなり、音も小さくなります。複数置いても音が混ざることはありません。

 360度画像は取り出すとボールのようです。ボールに頭を入れている間、ボールの空間が全体に広がるようになります。

ミク

 宇宙空間からヨーロッパの都市や海辺に、ミクさんと一緒に瞬間移動をしているようです。

ミク

 手探りでマウスを動かす必要がなく、手で持ったら出てくるファイルの展開は分かりやすく、とても楽でした。キャラクターの画像や人物の画像がそのまま出てくることで、平面であっても立体的な印象を与えることがあると感じました。

 今後広まれば、Mikulus内で開くことで最大の魅力を感じる絵が描かれたり、写真が撮られたりする可能性や、ミクさんと旅行に行くために、実際に旅行に行って360度写真を撮影しようと思う人が出るのではと感じます。

 VR内でいろいろな作業ができることや、いろいろなミクさんに囲まれている空間は、VR好き、初音ミク好きにはたまりません。しかし、Mikulusは、初音ミク好きやVR好きにとってのみ魅力があるのではないのです。

 PCの知識がなく、操作に慣れていない人でも、直感的に使えることが最大の魅力です。これを取りたいと思えば、手を伸ばせばいい。ここに置きたいなら、持っていきたい場所に置けばいい。誰でもPCを使い、VR内で創作もできます。それらの可能性こそがMikulusの魅力なのです。

ミク

 Mikulus開発用水冷PCは、表面に初音ミクの絵が描かれ、中にはフィギュアがいて、見て目もかわいく展示場所が華やかになります。

 今後も既存のデスクトップ環境に縛られない、直感的で重力に支配されないVRならではのOSへと進化していくMikulusに注目です。

著者プロフィール

kure

アニメや特撮、VR・ARが好きなだけな人です。Oculus等HMD、VR・ARの魅力をたくさんの人に広めていければと思っています。

Twitter:@kure_kure_zo

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