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2017年07月11日 10時35分 UPDATE

マストドンつまみ食い日記:マストドン新書著者5人座談会 「今はフラット化が行きすぎてる」「Twitterは広がりすぎた」

「マストドン 次世代ソーシャルメディアのすべて」出版記念セミナーの第2部である、著者5人によるパネルディスカッションをレポートする。

[松尾公也,ITmedia]

 セミナーの第2部は、「マストドン 次世代ソーシャルメディアのすべて」(マイナビ新書)を共同執筆したアナリスト/ブロガーの小林啓倫さん、ブロガーのコグレマサトさん、いしたにまさきさん、ジャーナリストのまつもとあつしさん、ブロガー/研究者の堀正岳さんが登壇するパネルディスカッション。

photo 左から小林啓倫さん、堀正岳さん、まつもとあつしさん、いしたにまさきさん

 モデレーターの橋本大也デジタルハリウッド大学教授からお題が投げかけられた。

ビジネスでどう使ったらいいだろうか

いしたに:ネットで活動してなかった企業がいきなりマストドンに出てきて成功できるわけではない。お客さんは急には増えない。インターネットの世界ではPVもフォロワーも買えるが、ファンはお金では獲得できない。日産自動車の中の人への取材で象徴的だった言葉が「潮干狩り」。別のSNSを使うと、これまでいなくなったと思っていたファンが可視化される。

まつもと:自分の担当では、Pawooを立ち上げた清水さんにインタビューしたが、ピクシブには悩みがあった。絵を描いて投稿するのはハードルが高い。もっと気楽な、pixivを起点としたスタートを設けたかったのだが、清水さんはマストドンがいいと直感。本気の絵よりも気楽でカジュアル。手応えはあるんじゃないかと考えた。

堀:(Pawooが立ち上がった)最初の48時間、絵師の移動が大きな影響を与えた。

いしたに:クリエイティブな仕組みをゼロから作るのは難しい。

小林:トゥート数が多いからいいというわけではない。例えば「ニコフレは一言コメントでLTL上で会話するようなコミュニティー」といったように、同じマストドンでもインスタンス毎に特徴がある。

堀:直球勝負のインスタンスが多い。今は投資の段階。例えば日産が新たにインスタンスを立ち上げるのなら、自動車全体とか広めに網をかけて、コアユーザーにかかりやすいようなやり方があるのではないか。

マストドンは私たちの暮らしをどう変えるのか

コグレ:一部に「マストドン、盛り下がったよね」という声がある。自分は2つのインスタンスに参加。どちらも50人くらい。おじさんたちが飲み歩いてる「オジ旅クラブ」。もう1つは浦和レッズのサポーターインスタンス。テーマが絞られていて、参加者も知り合い経由が多いので、安心できる。

 普段は淡々と続いているが、試合前日と当日だけは盛り上がる。レッズが勝てない時期にもインスタンスの中では声を掛け合い、励まし合う。Twitterだと他のサポーターからの罵詈雑言が聞こえてくることがあるが、このインスタンスなら安心できる。

 本当に好きな人だけがトゥートしている。いろんな世代の井戸端会議に使える。できれば少人数のインスタンスを探してみてはいかがだろうか。生活に潤いとハリが出てくる。

いしたに:フラットなのはいいけど、ここ2、3年くらい行きすぎる傾向がある。教習所を出たらいきなりF1レース会場というのがありうるのがTwitter。顔の見えてるところから始める場所がほしい。一方で、Facebookはガードが固すぎて広がりもしない。リアルな人間関係を反映するので言えないことが多い。TwitterとFacebookとマストドン、この3つでは、マストドンとFacebookが食い合うのではないか。マストドンなら顔が見えてる10人くらいから始めることができる。選択肢が広がったのはいいこと。

まつもと:自分はまだホームを見つけられてない。理屈では理想を見つけられるのは感じている。何をトゥートして。ここで相談したいくらい。立ち位置を作っていくのが難しい。迷っているし、個人利用のハードルは低いようでいて、引き続き難しい。

堀:20くらい登録しているインスタンスウォッチャー。偏りのある様子が面白い。Twitterではハッシュタグで一時的にしか集めることができなかったようなことがマストドンでは継続できる。本書で予言してあった、特定の番組のためのインスタンスとして、(映画.comのツイン・ピークスのファン向け)Cooperdonが出てきた。こういうものがもっと増えてほしい。Twitterは広がりすぎた。

小林:自分もまだホームが見つかっていない。だが、最近使っていて心地よいのは、仮面ライダーAmazonsのネタを投稿するとき。ネット配信なのでタイミングが難しい。0時に配信されたのを見て、ネタバレ防止機能つけてトゥート。楽しい。

まつもと:アニメ「正解するカド」は取材もして好きなのだが、Twitterでつぶやくとフォロワーが減ってくる。「アニメとか好きな人なんだ」という無言の圧を感じる。

小林:作品ごとのインスタンスが立ち上がれば。

堀:マストドンではクソリプの種類が違う。文脈の中でしか読み取れないクソリプが来る。言葉が変化している。

いしたに:Twitterでは文脈を剥ぎ取られたから炎上したというのがある。たかだかツイートするのになんで説明しなくちゃいけないのか。だから口をつぐんでいればいいということにはならない。開くか黙るかだけだったところに選択肢が生まれた。インスタンスについて言えば、作品単位で集まってもろくなことがない。Star Warsくらい行かないと難しいのでは。

自分でインスタンスを作るとしたらどういうものにしたい?(会場からの質問)

小林:特撮、オタク系。Facebook GroupやGoogle+もあるけど、プロフィールが1つで、それをさらけ出すことになってしまう。話題ごとに立ち上がるインスタンスがあってもいい。自分が好きな映画「パフィシックリム」は、FacebookやTwitterで話すのは難しい。

堀:ロールプレイのインスタンスに興味がある。ロード・オブ・ザ・リングズの中つ国のTwitterアカウントがあるが、そういうものをインスタンスの参加者がやっていくようなものを作ってみたい。

まつもと:はてなに増田(匿名日記)丼を作ってほしい。

いしたに:グルドンがホームなので立ち上げる必要性はないが、時限式の話題に合わせたインスタンスがあるといいかも。映画の公開日に見た人だけの、ホームに対するサブインスタンス、そんな時限式の仕組みができると面白い。

コグレ:オジ旅クラブ。レッズサポーター。自分のニーズに合致したインスタンスは立ち上がってる。正解するカド、Re:CREATORSなど、アニメ作品単体ごとのインスタンスがあったら参加したい。

 なお、いしたにさんが最後にポーの一族の「グレン・スミスの日記」とマストドンの関係について言及していたが、それについてはこのブログを読んでいただきたい

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