日本機械学会(新宿区)は7月24日、歴史的意義のある機械を認定する「機械遺産」に、有人潜水調査船「しんかい2000」や国産初の地下鉄車両「モハ1000形1001号」など7件を選んだと発表した。8月7日に東京大学(文京区)で認定式を行う。
機械遺産は、経済や社会の発展に貢献した、国内に現存する機械技術に対し、同学会が文化的遺産として次世代に伝える価値があると認定するもの。所有する企業や地方自治体が観光客誘致に活用したり、価値をアピールすることでメンテナンス費用を捻出しやすくするなど、遺産の保存を促すのが狙い。
万が一、企業内での保管が難しくなった場合は博物館など移管先を紹介するという。2007年から毎年実施し、これまでの認定数は計90件。
しんかい2000は、日本初の有人潜水調査船「しんかい」の後継機。1981年から2002年まで海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)が運用していた。潜水深度は、しんかいの600メートルから2000メートルへと拡大。沖縄トラフで熱水噴出現象を発見するなど、深海研究に貢献してきた。現在は新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)で常設展示されている。
モハ1000形1001号は、1927年に開業した東京の上野駅〜浅草駅間で使われた電動客車10両のうちの第1号車。東京メトログループのメトロ文化財団が運営する地下鉄博物館(江戸川区)が所蔵している。
このほか、東京都の隅田川に架かる可動橋「勝鬨(かちどき)橋」、奥田トンネル(福岡県北九州市)に日本で初めて採用されたジェットファンの換気システム、島精機製作所(和歌山県)が開発した全自動手袋編み機――などを認定した。
同学会は1897年設立。会員数は3万4110人(17年2月末時点)で、学会として日本最大級という。
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