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マネーフォワードがfreeeに勝訴 クラウド会計ソフトの特許訴訟

» 2017年07月28日 13時35分 公開
[ITmedia]

 マネーフォワードの「MFクラウド」が、クラウド会計ソフトに関するfreeeの特許権を侵害しているとして、freeeがマネーフォワードを相手取り、特許の使用差し止めなどを求めた訴訟の第一審判決が7月27日、東京地裁であった。地裁はfreeeの請求を棄却し、マネーフォワードが勝訴した。

 freeeは、マネーフォワードのクラウド会計ソフト「MFクラウド会計」に2016年8月に導入された自動仕訳機能が、同社が保有する自動仕訳に関する特許を侵害していると主張。マネーフォワードと協議したが「進展が見られなかった」とし、同年10月に提訴していた。

 判決文などによるとfreeeの特許は、「JR」の入力に対し「旅費交通費」に紐づけるなど、キーワードと勘定科目の「対応テーブル」を設定。入力されたキーワードを対応テーブルを参照して仕訳し、入力に複数のキーワードが含まれる場合は「優先ルール」を適用して優先順位の高いキーワードから参照して仕訳する――というもの。

 マネーフォワードは、MFクラウドの自動仕訳機能について「対応テーブルや優先ルールは採用しておらず、機械学習で自動生成されたアルゴリズムを採用している。特許侵害の事実はない」と主張。これに対してfreeeは、「機械学習の学習成果は対応テーブルと同等の結果をもたらすため、本質的には特許を侵害している」などと反論していた。

 東京地裁はマネーフォワードの主張を全面的に取り入れ、freeeの請求を棄却した。freeeは「判決内容を吟味し、控訴など必要な対応を今後検討する」としている。

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