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2020年の警備はどうなる? IT機器を装備した警備員がロボットと連携 その取り組みを見てきた太田智美がなんかやる

» 2017年08月01日 20時27分 公開
[太田智美ITmedia]

 「ALSOK」でおなじみの、警備やセキュリティサービスを提供する綜合警備保障は7月26日、小学5〜6年生20人を対象として「人とICTが融合した未来のセキュリティ」をテーマに、警備ロボットやドローン、ウェアラブルデバイス、画像解析技術などを用いた警備体験を実施した。

 普段あまり考えたことがないが、現在の警備業界の主な課題は「テロ対策」と少子高齢化などによる「人手不足」なのだという。「限られた人員で、より安全・安心な社会にするにはどうすればいいか」――そこで出てきたのが、「ICT(情報通信技術)」「AI(人工知能)」という2つのキーワードだ。

 特に、大規模なイベントなどの警備では、人間だけでは限界があるという。例えば、人だけでは人数が限られていることもあり、警備の場所が限定される。死角となる場所の警備も難しい。さらに、指名手配犯の顔を全て覚えるのは人間には不可能……といったことから、ICTを活用した警備が実施されているのだという。

 実は、これらの取り組みは今に始まったことではない。綜合警備保障は「人とICTが融合した警備」の試みを2015年2月から行っている


ALSOK IT機器を装備した警備員

ALSOK

 「ALSOKハイパーセキュリティガード」というIT機器を装備した警備員を、見たことはあるだろうか。警備員のキャップにはウェアラブルカメラが装着されており、ガードマンの視点を他の警備員やコントロールセンターに共有したり、他の危機と連携し顔認証でターゲットを発見したりする。その他、IPトランシーバーや、人を殴ると気絶してしまうくらいの強度を持ったスマートフォンなどを常備しており、これらの機器は警備ロボットにもつながっているという。


ALSOK 警備ロボット

ALSOK

 取得した映像はリアルタイムに分析され、顔認識技術によって指名手配犯の顔と照合。感情可視化システムを使って感情に色を付け、悪いことをしようと考えている人を事前に把握し防犯につなげる試みもしているという。

 イベントでは実際に参加者がIT機器を身に着け体験。セキュリティ上の関係もありなかなか勉強することができない警備の世界を、少しだけ垣間見れた。

太田智美

筆者プロフィール

プロフール画像

 小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。

 大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。

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