ではヤマハはどのようにショルダーキーボードに取り組んできたか。
源流を探るとすれば、CS01だろう。レゾナンスが2段階しかないなど省略した部分はあるが、非常にクリーンな音を出せるモノフォニックの1982年発売のアナログシンセサイザーで、当時3万2000円。ピッチとビブラートのホイールを備え、別売のブレスコントローラを使えば管楽器のようなニュアンスまで出せた。専用のストラップを使い、ショルダーシンセにもできた。35年前にショルダーキーボードの原点はあったのだ。
その後、DX7とともにMIDI時代がやってきて、ショルダーキーボードはMIDIインタフェースを備えたMIDIコントローラーとしての役割が求められるようになる。ヤマハは1983年のKX1、1984年のKX5などのモデルをリリースし、中でも人気の高かったKX5は1999年まで販売を続けられるベストセラーとなった。
さらにコンシューマーを狙った商品も出された。
ショルダーキーボードをショルキーと略することがあるが、これはヤマハの商品名であり、実際にその名で1987年に2万3800円で売られた製品「SHS-10」は大ヒットした。
シルバー、ブラック、レッドのカラーモデルがあるFM音源を使ったミニ鍵盤のポリフォニックシンセサイザーで、MIDI OUTの機能もある。
そんな初代ショルキーの魂とVOCALOIDの魂を悪魔合体させたような製品、それが「ボーカロイドキーボード VKB-100」なのである。しかし、ショルダーキーボードの系譜は、実はヤマハにおいては途絶えているのだ。
そんなボーカロイドキーボードにいち早く触れるというので、マジカルミライ2017に行ってきた。そのヤマハブースには同じく8月31日に発表されたMobile VOCALOID Editorの初音ミク版と、ボーカロイドキーボードがデモされている。
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