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» 2017年10月02日 19時45分 公開

CEATEC JAPAN 2017:電子書籍に紙の手触りを 読書デバイス「全巻一冊 北斗の拳」開発の狙い

紙の質感を再現した電子書籍デバイスの実機がCETAEC 2017で体験できる。【訂正】

[山口恵祐,ITmedia]

 システム設計開発などを手掛けるプログレス・テクノロジーズ(東京都江東区)は、紙のマンガを読んでいる感覚を再現した電子書籍デバイス「全巻一冊 北斗の拳」の実機を「CEATEC 2017」(10月3〜6日、幕張メッセ)に出展する。

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 全巻一冊 北斗の拳は「kickstarter」(日本版)で先行販売中の電子書籍デバイス。カバーや帯、手触りなど、紙の質感を再現しており、マンガ「北斗の拳」(全18巻)を1台に収録する。

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 見開きページに7.8インチの電子ペーパーを2枚搭載し、右から左へマンガを読み進められる。電子ペーパー自体は一般的な電子書籍端末と同じだが、画像処理を独自で工夫したり、無圧縮の画像を利用したりすることで、白と黒のコントラストや鮮明さで見やすさを追求した。表紙やカバー、厚みなど、外装はA5サイズの紙の単行本を再現。電源は単四形電池4本で動作する。

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 操作ボタンは次ページ/前ページ/次の巻/言語切り替えの4つ。表示できるコンテンツは北斗の拳のみで、言語切り替えは日本語と英語に対応。ネット接続や書籍のダウンロードには対応しない。

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 巻の切り替えは「次の巻」ボタンを押して1巻ずつ進めていく。一見すると煩雑に感じるが、押した回数だけ正確に巻が切り替わるので、18巻程度なら使い勝手に問題は感じなかった。

「今の電子書籍は受け入れられていない」

 「電子書籍はプラットフォームの囲い込みがあったり、デバイスをWi-Fiにつないだりと、本を読んでいる感じがしないという声があった。よくいわれる『大事な本は紙で買ってしまう』というのは、今の電子書籍が(本当の意味で)受け入れられていないのでは」──開発した同社取締役の小西享氏は、プロジェクトに取り組んだきっかけをそう話す。

photo プログレス・テクノロジーズ 取締役の小西享氏

 全巻一冊 北斗の拳は電子書籍デバイスでありながら、カバーや帯、手触りなど、見た目や感触は普通の書籍そのもの。本を開けば電源がオンになり、ボタンを押せばページをめくれるため、ネット接続や電子書籍を買うためのアカウント管理、支払いなどは一切必要ない。

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 小西氏は、単にディスプレイを並べて電子書籍を見開きにすることがゴールではなく、重視したのは本を読む方々を納得させることであると強調する。

 本体の重さは、書籍版の北斗の拳と同じ重さにし、電池ボックスの位置も違和感のない重心になるように設置した。紙の角を0.3ミリ削り、手に当たったときの不快感も徹底的に排除。紙の本を持ったときの感覚を徹底的に再現した。見開きページには、石灰石の入った紙素材「LIMEX」(ライメックス)を使用。3万回の開き動作テストをクリアしているという。

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 「タブレット端末でいいのでは、という声もあるが、実際に触った方々には『本と電子書籍をうまくつなげる1つの解かもしれない』と言っていただけることも多い。ぜひ手にとって試していただきたい」(小西さん)

訂正:2017年10月4日午後9時 初出時、小西享氏の名前を誤って記載していました。お詫びして訂正いたします。

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