CEATEC JAPAN 2017
電子書籍に紙の手触りを 読書デバイス「全巻一冊 北斗の拳」開発の狙い
システム設計開発などを手掛けるプログレス・テクノロジーズ(東京都江東区)は、紙のマンガを読んでいる感覚を再現した電子書籍デバイス「全巻一冊 北斗の拳」の実機を「CEATEC 2017」(10月3〜6日、幕張メッセ)に出展する。
全巻一冊 北斗の拳は「kickstarter」(日本版)で先行販売中の電子書籍デバイス。カバーや帯、手触りなど、紙の質感を再現しており、マンガ「北斗の拳」(全18巻)を1台に収録する。
見開きページに7.8インチの電子ペーパーを2枚搭載し、右から左へマンガを読み進められる。電子ペーパー自体は一般的な電子書籍端末と同じだが、画像処理を独自で工夫したり、無圧縮の画像を利用したりすることで、白と黒のコントラストや鮮明さで見やすさを追求した。表紙やカバー、厚みなど、外装はA5サイズの紙の単行本を再現。電源は単四形電池4本で動作する。
操作ボタンは次ページ/前ページ/次の巻/言語切り替えの4つ。表示できるコンテンツは北斗の拳のみで、言語切り替えは日本語と英語に対応。ネット接続や書籍のダウンロードには対応しない。
巻の切り替えは「次の巻」ボタンを押して1巻ずつ進めていく。一見すると煩雑に感じるが、押した回数だけ正確に巻が切り替わるので、18巻程度なら使い勝手に問題は感じなかった。
「今の電子書籍は受け入れられていない」
「電子書籍はプラットフォームの囲い込みがあったり、デバイスをWi-Fiにつないだりと、本を読んでいる感じがしないという声があった。よくいわれる『大事な本は紙で買ってしまう』というのは、今の電子書籍が(本当の意味で)受け入れられていないのでは」──開発した同社取締役の小西享氏は、プロジェクトに取り組んだきっかけをそう話す。
全巻一冊 北斗の拳は電子書籍デバイスでありながら、カバーや帯、手触りなど、見た目や感触は普通の書籍そのもの。本を開けば電源がオンになり、ボタンを押せばページをめくれるため、ネット接続や電子書籍を買うためのアカウント管理、支払いなどは一切必要ない。
小西氏は、単にディスプレイを並べて電子書籍を見開きにすることがゴールではなく、重視したのは本を読む方々を納得させることであると強調する。
本体の重さは、書籍版の北斗の拳と同じ重さにし、電池ボックスの位置も違和感のない重心になるように設置した。紙の角を0.3ミリ削り、手に当たったときの不快感も徹底的に排除。紙の本を持ったときの感覚を徹底的に再現した。見開きページには、石灰石の入った紙素材「LIMEX」(ライメックス)を使用。3万回の開き動作テストをクリアしているという。
「タブレット端末でいいのでは、という声もあるが、実際に触った方々には『本と電子書籍をうまくつなげる1つの解かもしれない』と言っていただけることも多い。ぜひ手にとって試していただきたい」(小西さん)
訂正:2017年10月4日午後9時 初出時、小西享氏の名前を誤って記載していました。お詫びして訂正いたします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「命の砂時計」連呼のGMO会見──熊谷代表の発言にXではツッコミ続出
-
2
GMO熊谷代表、涙の謝罪会見でも“熊谷節”さく裂──「31年間、もうけるという言葉は使ったことがない」
-
3
ロゴ画像用の公開領域に顧客ファイルも保存 GMO系シングルサインオン、4.5万人分漏えい
-
4
渦中のGMO記者会見、責任の所在はどこに? 熊谷代表が語った“グループ内の力関係”
-
5
Marvell、光通信技術のLumentumを約18兆円で買収 AIデータセンターの高速化に対応
-
6
アットコスメ、会員約300万人分の情報漏えい 不正アクセスで
-
7
Apple、第4四半期として過去最高の増収増益 ターナスCEO初の決算「Siri AIはずっと望んでいたSiri」
-
8
GMO熊谷代表、会見で改めて謝罪 SNS投稿巡り「配慮が欠けていた」
-
9
日本郵政「ゆうID」不正ログイン、他社で流出したパスワード使うリスト攻撃か……2段階認証必須に
-
10
Anthropic、IPO申請書を修正 7~9月売上高は約170億ドル、インフラ契約額は約8954億ドル
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR