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スマホ向け動画制作のCandee、2期目で売上8億円超「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年10月18日 11時25分 公開
[NOKIZALITmedia]

(編集部注)本記事は、執筆時に公開されていた決算公告に基づいたものです。

 スマートフォン向けの動画制作を手掛けるCandee(東京都港区)が10月17日、官報に掲載した2016年12月期(16年1月〜12月)決算公告によれば、売上高は8億2900万円、経常損失は1億8700万円の赤字、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は2億8100万円の赤字だった。

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 Candeeは2015年設立。LINEの動画配信アプリ「LINE LIVE」内の人気番組「アツシメーカー」「WANTED〜キンコン西野逃走中!〜」「さしめし」など、これまでに1300本以上のスマホ向け動画制作、500本以上のライブ配信に携わっている。コンテンツ制作だけでなく、動画広告の制作・販売、出演するタレントのマネジメントまでワンストップで提供。今後は自社の動画配信プラットフォームの展開も予定している。

 資金面では、16年12月にYJキャピタルTBSイノベーション・パートナーズgumiから10億円を調達した。設立当初の経営陣はgumiの國光宏尚社長の親族が代表だったが、現在は古岸和樹代表(カルチュア・コンビニエンス・クラブヤフーエイベックス出身)をはじめ、エンタメやプラットフォームに知見のあるメンバーで構成されている。

photo Candeeの公式サイトより

ここがポイント

 急成長しているスマホ向け動画市場。Candeeの事業構成を見ると(1)番組制作、(2)広告販売、(3)タレント管理、(4)番組配信(予定)と、テレビがスマホに置き換わった場合にワンストップで提供することをイメージしているようです。当期の決算では1.8億円の赤字は出しているものの、2期目で既に売上は8億円まで伸びています。この決算数字は16年12月時点のものなので、調達直後の10億円も丸々残っており、3期目はさらに大きく伸びているのではないかと推測できます。

 Candeeは17年6月にライブ(動画)コマースアプリ「Live Shop!」の提供を始め、ライブコマースにも参入しました。ライブコマースといえば、9月に俳優の山田孝之さんがトランスコスモスの新会社に参画すると発表し、注目されました。先行する中国市場では年間売上が10億円を超える番組もあり、テレビの広告ビジネスモデルを移行する以上に、スマホとの親和性による伸びを期待できるかもしれません。

 配信プラットフォームを手掛けるビッグネームから、スタートアップによるニッチなコンテンツ制作まで、群雄割拠の様相を見せてきた動画市場。今後のさらなる市場拡大と競争激化に目が離せない状況となりそうです。

Candeeの過去業績、他の企業情報は「NOKIZAL」で確認できます

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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