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日本上陸「Amazon Echo」3機種の違いは? 他社とどう差別化する?

» 2017年11月08日 17時30分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 アマゾンジャパンは11月8日、クラウドベースの音声アシスタント「Alexa」(アレクサ)に対応するスピーカー「Amazon Echo」、小型版「Echo Dot」、上位機種「Echo Plus」を日本国内で来週発売すると発表した。価格は順に1万1980円、5980円、1万7980円(税込)。プライム会員はEchoを7980円、Echo Dotを3980円で購入できる。

発表会の様子

 米Googleの「Google Home」、LINEの「Clova WAVE」に続き、日本市場に上陸したAmazon Echo。日本で展開するEcho、Echo Dot、Echo Plusの機能差は何か、日本市場にどうアプローチするのか――。

Amazon Echoで何ができる?

 Wi-Fiでネット接続するEchoは、声で操作するAIスピーカー。いずれの機種も「Alexa」と呼び掛けると起動し、天面のライトが青色に点灯。続けて「きょうの天気は?」「お正月まであと何日?」「今日の日の出は何時?」などと質問したり、音楽再生(dヒッツ、Music Unlimited)やニュースの読み上げなどを指示したりできる。

 Googleカレンダーなどにひも付いたスケジュールの読み上げも可能。LED電球「Philips Hue」などのスマートデバイスも音声で操作できる。

 3機種ともに7つのマイク(マイクアレー)を備え、約6メートル離れた場所からでもユーザーの声を認識する。ユーザーが聞こえる範囲に複数台のEchoデバイスがある場合は、声の明瞭度(めいりょうど)からどのデバイスが最も近いかを計算する機能「ESP」(エコー空間知覚)により「2台が同時に答える」といった事態を防ぐ。

 Echoの外寸サイズは148(高さ)×88(直径)ミリ、重さは821グラム。

3機種、何が違う?

 3機種の主な違いは搭載するスピーカーだ。Echoの場合、0.6インチツイーターと2.5インチウーファーを搭載し、360度全方位に音が届くように調整した。

左手前が「Amazon Echo」、右手前が小型版の「Echo Dot」。奥にある背の高い製品が「Echo Plus」

 Echo Dotは、外寸サイズが32(高さ)×84(直径)ミリ、重さが163グラムのコンパクトサイズ。その分スピーカーサイズは0.6インチとなり、Echoと比べると音質は劣るが、同社のカレン・ルービンさん(Alexaエクスペリエンス&デバイス シニアマネージャー)によれば「ハイエンドなスマートフォンに付いているスピーカーレベル」を担保したという。家庭内で複数の部屋に設置し、さらにDotと外部スピーカーをBluetooth接続する(もしくは3.5ミリステレオケーブルを使用)――という使い方を想定している。

 Echo Plusは0.8インチツイーター、2.5インチウーファーを搭載し、Echoと比較すると音質を向上させたという。外寸サイズは235(高さ)×84(直径)ミリ、重さは954グラム。

 さらにEcho Plusは、Echoにスマートホームハブ機能を追加したことも特徴だ。例えばEcho Plusに「Alexa、私のデバイスを見つけて」などと話し掛けると、互換性のある照明デバイスなどを60秒程度で検出し自動接続する。発売時点では、近距離無線通信規格「ZigBee」のライトリンクプロトコルに対応したLED電球「Philips Hue」のみが対象だ。

Hueの専用ブリッジがあればEchoやEcho Dotでも「Philips Hue」の音声操作は可能。Echo Plusの場合はブリッジなしで操作できる
3機種の比較

百花繚乱のスマートスピーカー市場、Amazonの強みは?

 音声アシスタントに対応するスマートスピーカーの日本市場には、直近半年間で国内外のメーカーが相次いで参入。Google Japanは10月に「Google Home」(1万4000円)と小型サイズの「Google Home Mini」を発売。LINEも10月に「Clova WAVE」正式版(1万4000円)を投入した。

 米Amazon.comのトム・テイラーさん(Alexa担当 シニア・バイス・プレジデント)は「さまざまなデバイスが市場に出ている中、われわれはカスタマーニーズに注目する」と強調した。8日に提供を始めた音楽聞き放題サービス「Music Unlimited」との連携や、開発者向けにツールキット「Alexa Skills Kit」(ASK)を提供して対応サービスを増やすなどし、機能を拡充していく考えだ。

 「Echoに話し掛けると(そのままAmazon.co.jpなどで)買い物ができるようにはなるのか」――記者の質問に対し、同社は「さまざまな機能の“発明”を続けている。海外ではASKを活用して数万のスキル(連携機能)が誕生しており、より多くのサービスを開発していく」とのコメントにとどめた。

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