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» 2017年12月11日 09時00分 公開

5Gで実現する未来のゲーム ドコモの「ソードアート・オンライン」コラボに1万4000人の応募

ドコモが次世代通信のアピールで「SAO」とコラボ。

[山口恵祐,ITmedia]

 NTTドコモは、実証実験中の第5世代移動通信方式(5G)技術を使って、アニメ「ソードアート・オンライン」の世界を再現したVR(仮想現実)ゲームを公開した。東京スカイツリータウン(東京都墨田区)にあるイベント会場「5Gトライアルサイト」で、12月8〜10日の3日間、事前募集で当選した300人が体験できた。記者も実際に体験してきた。

photo 4人のプレーヤーで遊べる

 「ソードアート・オンライン レプリケーション」は、ドコモとバンダイナムコエンターテインメントが共同で開発した4人用のVRゲーム。プレイヤーはVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の「HTC Vive」を装着し、両手に持った専用コントローラーで剣を振ったり、盾でガードしたりして他のプレーヤーと協力しながら遊べる。アトラクションの体験時間は15分ほど。3日間で300人の枠に対し、1万4604件の応募があったという。

 ゲームが始まると、3Dキャラクターとして登場する主人公のキリトやアスナ、オリジナルキャラクターのミストとの会話パートが進行し、共にボスモンスターを倒しに行くストーリーが展開。メインとなる戦闘シーンでは、剣を振る前の“ため”動作によってソードスキルを発動させて攻撃したり、盾で攻撃を回避したりしながらボスモンスターを倒すことを目指す。

photo オリジナルキャラクターのミスト
photo ログアウトボタンがないメニューも自由に出せる。HTC Viveのルームトラッキング機能によって、わずかな範囲ながら動くこともできる。回りの目が気になり、“しゃがんでのぞき込む”ことはできなかった
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 大きなボスモンスターが目の前を動き回るシーンは迫力満点。途中、仲間が死亡するシーンの絶望感もかなりのものだった。VRを存分に堪能するコンテンツとして、これほどまでに適したタイトルはそうそう無いだろう。

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 同ゲームは、9月の東京ゲームショウ2017で開発が表明されていた。ドコモが2020年に実用化を目指す5Gは高速、大容量、低遅延という特徴を持ち、現行の4Gに比べて約10倍高速になる。一般に5Gの特徴を分かりやすく伝えるため、ドコモはVRゲームに着目。「VRといえば、ソードアート・オンラインだろう」(同社)と、バンダイナムコとの共同プロジェクトがスタートしたという。

 5Gの技術が生かされているのは、4人マルチプレイの実装部分だ。プレイヤーそれぞれが遠隔地にいると想定した4台のクライアントPCから、マルチプレイヤー用の同期サーバにデータを送り、同期させたデータを送り返す処理を5Gで行っているという。

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 一緒にプレイしていた他のプレーヤーも自身の横に登場し、戦闘中の動きがリアルタイムに反映される。次世代の通信技術が実用化すれば、データ量が大きいオンラインVRゲームでも、アクション性の高いゲームが期待できる。

 ドコモは、HTC Vive(高性能VR機器)が無くても、5Gの技術とモバイルVR機器を組み合わせ、いつでもどこでも高品質なゲームが楽しめる環境を整えたい考えだ。

「IBMとアプローチは近い」

 次世代技術をアピールするために、企業がVRゲームを題材にしたソードアート・オンラインとコラボするのはこれが初めてではない。16年3月には日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)が、コグニティブコンピューティングと呼ぶAI(人工知能)技術やクラウド技術の要素を取り入れたVRコンテンツを公開し、作品のファンだけでなく技術者やギークにも話題を呼んだ。

 ドコモの森永宏二課長(コンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス ゲームビジネス担当)は今回のコラボについて次のように話す。

 「ストーリーを重視し、ゲームとして体感いただくことを目指した。(IBMは)ソードアート・オンラインとのコラボによってクラウド技術をPRされていたが、われわれは線(通信)の部分をPRする狙い。アプローチとしては近い」

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photo 会場では5Gの基地局なども間近に見られる

 今回のVRゲームはこのイベントだけの限定公開だが、ユーザーから要望があれば次の展開も検討していきたいという。

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