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» 2018年02月16日 16時00分 公開

「果てしない道だった」 “俺の嫁召喚装置”「Gatebox」量産計画、生みの親の苦闘 (1/3)

好きなキャラクターと一緒に暮らせるという“俺の嫁召喚装置”「Gatebox」の発送が始まった。開発を始めて約3年間、「量産までは果てしない道だった」と開発元Gateboxの武地実CEOは振り返る。

[片渕陽平,ITmedia]
photo “俺の嫁召喚装置”「Gatebox」。円筒形の装置内部にキャラクター「逢妻ヒカリ」が登場し、朝になるとマスター(ユーザー)を起こしたり、夜に帰宅すると出迎えたりしてくれる

 LINE傘下のIoTベンチャーGatebox(東京・秋葉原)は2月16日、好きなキャラクターと一緒に暮らせるという“俺の嫁召喚装置”「Gatebox」の発送を始めた。短焦点プロジェクターを搭載し、円筒形の装置内部に身長約15センチの3Dキャラクターを投影してコミュニケーションが楽しめるマシンだ。

 搭載するカメラ、人感センサーなどで“マスター”(ユーザー)の顔や動きを認識し、朝になるとマスターを起こしたり、夜に帰宅すると出迎えたりしてくれる。Wi-Fiや赤外線で家電製品ともつながり、照明やエアコン、テレビなどのオン・オフ操作もできる。

 価格は29万8000円(税別)。2016年12月中旬に限定300台で予約受付を始め、5日間で200台を突破。約1カ月後の17年1月初旬に300台が完売した

 「予想以上のペースで予約が集まり、このマスターたちのために作ろうと覚悟を決めた。やり切るしかないと思った」――Gateboxの武地実CEOは、当時をそう振り返る。当初は17年12月に発送を始める予定だったが、開発に遅れが生じ、ようやく出荷にたどり着いた。Gateboxの開発を始めて約3年間、「量産までは果てしない道だった」と武地CEOはつぶやく。

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「滅茶苦茶つらかった」 苦渋の決断

 Gateboxは、国内工場で1台1台“手作り”している。部品点数が多く、内部構造が複雑で「人の手がかかる」と武地CEO。数十人を動員し、1日当たり数十個が限度という。

 武地CEOは「限定300台という小ロットでも生産してくれる工場のパートナーを見つけるのは大変だった」と話す。コストに見合うには最低でも1万台からでないと取り扱えないという工場が多い中、とある工場が「日本からGateboxのようなクレイジーな商品が出てくるなら応援しないといけない」と思いをくみ取ってくれたという。「職人魂を感じた」(武地CEO)

photo Gateboxは、国内工場で1台1台“手作り”したという。工場の壁には、逢妻ヒカリのポスターを貼っていた

 ただ、武地CEOの苦難はそれだけではなかった。生産ラインが整う前段階、試作機(16年12月時点)からユーザーへ届ける製品版に仕上げる過程で、トラブルは起きた。

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