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脳波やジェスチャー操作も ここまで進化した “未来を感じる”クルマたち(1/2 ページ)

» 2018年03月14日 09時00分 公開
[ITmedia]

 脳波やジェスチャーで操作できる――そんなクルマの未来を自動車メーカー各社が描いている。ここ数年で自動運転技術を始め、通信機能を備えるコネクテッドカーとその周辺技術はさらに発展し、未来を感じるクルマたちが数多く登場してきた。

 ITmedia NEWSでは、EV(電気自動車)メーカー大手の米Tesla(テスラ)最量販モデル「モデルS」の乗り心地を「自動運転」の切り口からレビューした。既に高速道路での運転サポートという観点では自動運転システムは有用なものになっているといえるだろう。

高速道路で自動運転しているときの様子

 一方、運転手がハンドルに触れる必要のない「完全自動運転車」の実現を巡っては、識者の中でも意見が割れており、「2020年代前半くらいに、自動運転もしくは自動運転にほぼ近いようなシステムが出てくる」という予測もある。

 これから、未来のクルマはどうなっていくのか。2018年3月までに発表されたコンセプトカーやクルマ関連技術を振り返る。

ドライバーの脳波を検知 「ニッサン IMx KURO」

 運転手の脳波から違和感を検出し、思い描く運転になるようサポートするとうたうのが、日産自動車が「第88回ジュネーブ国際モーターショー」(3月18日まで、スイス)で公開したEVのクロスオーバーコンセプト「ニッサン IMx KURO」。

「ニッサン IMx KURO」

 「東京モーターショー2017」(10月、東京ビッグサイト)で世界初公開したコンセプトカー「ニッサン IMx」を改良し、「黒」をテーマにデザインを一新。完全自動運転(レベル5相当)を実現する他、クルマに任せて運転できる「プロパイロットドライブモード」を選ぶと、ハンドルを格納し、シートをリクライニングするという。

 運転手が着用したヘッドセットから脳波を計測。ハンドルを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に発生する脳波(行動準備電位)を検出し、操作を始める0.2〜0.5秒前にクルマ側のシステムが動作することで運転手の反応の遅れをカバーするとしている。自動運転時も脳波を計測し、違和感のない自然な制御の自動運転にカスタマイズできるという。

目的地まで自動運転 トヨタのSUVコンセプト「Lexus LF-1 Limitless」

 目的地までの運転操作をクルマ側が担う自動運転技術を採用するのが、トヨタ自動車が「2018年北米国際自動車ショー」(米デトロイト、1月14日〜2月28日)で世界初公開したクロスオーバーSUVのコンセプトカー「Lexus LF-1 Limitless」だ。スムーズな走行を実現、交通事故の低減をサポートするという。

「Lexus LF-1 Limitless」

 ドライバーのジェスチャーを検知して操作できるモーションコントローラーや、直感的なディスプレイ表示などのインタフェースを採用するのも特徴。ナビゲーションには時間の概念を導入し、車両や交通状況に応じ、休憩やレストランでの食事、ホテル予約などを提案するとしている。

 同社は25年ごろまでにエンジン車のみの車種をゼロにする方針を発表しており、今回のコンセプトカーもガソリンエンジンやハイブリッドに加え、プラグインハイブリッド(PHV)、電気(EV)や燃料電池(FCV)を含めたパワートレーン(動力を駆動部に伝える機構)の搭載を想定している。

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