マイデイズには、スマホにアプリを追加する感覚でさまざまなサービスを登録できる。アプリのメニューから「コンテンツ」を選択すると、「dTV」や「dマガジン」「dヒッツ」などドコモの“d系サービス”が表示される。月額料金については各サービスの利用形態に準ずる形だ。
同じアプリのメニューに並ぶ「登録中のメンバー」を選択すると、「食べログ」や「マクドナルド」「高島屋」「Jリーグ」などドコモにとってのパートナー企業が提供するサービスがそろっている。5月30日のローンチ時点では「コンテンツ」と「メンバーのサービス」を合わせて56件になる見込みだ。
ドコモではマイデイズに対応するコンテンツを開発するためのAPIを公開しているので、今後はより多くのサービスが追加されるだろう。ドコモではパートナーに提供するAPIに、6種類の異なる“声のデータベース”を提供している。
飯野氏によれば「6種類の声からサービスのイメージに合うものを選ぶことができる」そうだ。またパートナーが自前で用意した声優などによるカスタムボイスを使うこともできるらしい。
マイデイズのサービスはdアカウントを取得していて、OSなどプラットフォームの条件さえ満たしていれば誰でも無料で使うことができるが、看板に掲げる先読みサービスをスマホやタブレットの通知機能を使って「プッシュ」してくれるサービスは月額100円の有料提供になっている。
大場氏によると、有料プランを設けた理由はiコンシェルでも提供していたAIエージェントによるプッシュ通知サービスが好評だったからだという。しかし、AIエージェントを便利なものとしてユーザーに印象付けるためには、プッシュ通知のように他にない便利なサービスを積極的に使ってもらうことが大事。
100円とはいえ、無料サービスに対する有料サービスの壁ができていることはやや残念に思う。ユーザーの反響を見ながら、便利な機能については広く体験できる環境を検討してほしいところだ。
ハードウェアの連携についてもマイデイズのSDKが公開されている。先駆けてこれを搭載したスマートデバイスとして、ドコモの発表会ではソニーモバイルのスマートイヤフォン「Xperia Ear Duo」が紹介されていた。
Xperia Ear Duoにはソニー独自の「Assistant for Xperia」やLINEの「Clova」、「Googleアシスタント」「Siri」との連携機能が搭載されている。これにマイデイズも加わる格好だ。本体側面のタッチセンサーリモコンをタップしてマイデイズを呼び出し、音声入力による操作が可能になるという。
また、ドコモは発表会で、今後大手建材メーカーのYKKとパートナーシップを組んで「AIエージェントのマイデイズを搭載するスマートドア」を開発する計画があることも明らかにした。
商品化の目標は2020年。洗面台やお風呂場、玄関にガレージなど家じゅう至る所に“AIドア”があれば、AIエージェントとの距離感が縮まり、身近なものになりそうだ。
筆者も今回の取材の際にマイデイズのデモンストレーションを体験してみたが、そのレスポンスが機敏だったこともさることながら、AIエージェントに尋ねた答えがスマホやタブレットの画面ですぐに確認できるところが便利であることを再認識した。
スマホの場合、音声コマンドをどれぐらい離れたところから話しかけて認識してくれるのかも気になるところだが、ドコモでは大体の到達距離は3メートル前後が標準としているようだ。その正確さと利便性をさらに高めるため、ドコモでは今年の1月に「シンプルマイク01」というアクセサリーも発売している。今後もスマホ・タブレットを中心にマイデイズをより便利に使えるアクセサリーが充実してくることにも期待したい。
マイデイズが日本語の認識力だけでなく、日本人の生活スタイルにフィットできるAIエージェントに育ってくれば、GoogleアシスタントやAmazonのAlexa、Siriなど海外生まれのAIエージェントにとって「最強の対抗馬」になれると思う。
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