ドラレコ本体の見た目がスマートでも、映像が記録として役に立たなければ意味はない。DashCam C1は最大1080p 30fpsで.MOV形式の動画を1、3、5、10分のループ録画が可能。microSDの容量と撮影サイズで変わる録画時間の表を以下に示しておく。
容量・画質別 録画可能時間目安 | |||
---|---|---|---|
容量 | 1080p 30fps | 720p 60fps | 720p 30fps |
32GB | 320分 | 360分 | 480分 |
64GB | 640分 | 720分 | 960分 |
128GB | 1280分 | 1440分 | 1920分 |
カメラにはソニー製CMOSイメージセンサー「Exmor」を搭載し、夜間でもナンバープレートを正確に撮影できるというAnker独自の「NightHawkテクノロジー」も備えるなど、基本性能もこだわっているようだ。実際に撮影した動画を見てみよう。
こちらはDashCam C1で設定できる最高画質のもの。昼と夜ともに、中央付近に写る2台先までならナンバープレート4桁の数字が読み取れる程度の解像感だ。車種が特定できれば十分に記録として使えるデータになるだろう。その一方で、周辺の描写は甘く、映像を一時停止してもナンバープレートが読み取りづらいことも。広角レンズを採用するドラレコでよくみられる傾向だ。
動画サイズを720pに落とすと、フレームレート60fpsを選択できる。動きの滑らかさを優先したい場合はこちらを選択するといい……と言いたいところだが、1080p 30fpsとあまり動体の描画に変化を感じられなかった。個人的には1080p 30fpsでの利用をおすすめしたい。
DashCam C1の売りが、Wi-Fiを使ったアプリ連携だ。DashCam C1内に保存された動画をスマートフォン・タブレットから見られるほか、動画ファイルの転送や本体設定、機器のファームウェアアップデートなども行える。
実際に試してみたが、接続などもスムーズで文句なし。アプリも操作に迷うことなく使えた。従来製品では撮影した動画を持ち帰るにはmicro SDカードを抜き差ししていたが、今後は必要な動画をダウンロードするだけでいいのはうれしい。旅先でドライブ風景をSNSにアップロードするような楽しみ方もできそうだ。
ドラレコを選ぶポイントとして忘れてはいけないのが、地デジへの電波干渉対策が施されているかどうかだ。車載製品の中には、地デジやラジオなどの電波受信感度に悪影響を及ぼすものも多く、「海外製のドラレコを安く手に入れたはいいが、地デジが写らなくなってしまった」といった場合も少なくない。
DashCam C1は特にノイズ対策をうたっているわけではないが、筆者の環境では地デジの映りが悪くなることは無かった。ナビで地デジをよく見るユーザーでも安心して使えるだろう。
ここまで試した中で、要望を挙げるとすれば、最近はバックカメラを接続して1つの映像に後方視点の映像をワイプで入れられるものも登場している。そういった多機能な製品の登場にも期待したいところ。ちなみに米国ではカメラの解像度が2K(2560×1440)に向上し、さらにGPSで位置情報も記録できる上位モデル「Roav Dash Cam C1 Pro」が存在する。こちらの国内投入を期待したいところだ。
また、他社の同価格帯製品に目を向けると、車載機器大手のユピテルが発売している「WD300」というドラレコがライバルになりそうだ。こちらはアプリ連携には対応していないが、GPSを搭載している。GPS機能とWi-Fi機能、どちらを重視するかが両者を選ぶポイントになるだろう。
今回はアンカー・ジャパンのDashCam C1を一通り試したが、約1万円で手に入るドラレコとして満足度の高いものになった。特に海外製品は電波干渉対策が施されていないものも多いので、地デジがちゃんと受信できたのはいい意味で予想を裏切られた形だ。
低価格帯のドラレコは、画質が著しく悪かったり、本体の質感が低く愛車に取り付けるのが嫌になったりするものも少なくない。とはいえ2万円以上の高価格帯製品には手を出しづらいもの。安すぎず高すぎず、とてもバランスの良い製品に仕上がっている。
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