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“小さくてよく写るカメラ”ならコレ コンデジ好きにうれしいパナソニック「DC-TX2」(1/3 ページ)

» 2018年06月23日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
小さいながらしっかりファインダーを持っているすぐれた高倍率コンデジ「DC-TX2」

 カシオが撤退するレベルのコンデジ不況の中、2018年2月末に開催された「CP+」でもコンパクトデジカメの新製品がほとんど出なかった中、パナソニックがやってくれたのである。

 2016年に突然登場したまま放置されたかに見えた「DMC-TX1」の後継機、「DC-TX2」が登場したのである。

 コンパクトデジカメの世界は、まあかなり市場規模は小さくなっているのだが、大手カメラメーカーが揃えてきたのが、高倍率ズームで汎用性が高い普及型コンデジ路線と、ズーム倍率は低いけど明るいレンズと1型センサーを搭載してクオリティを追求した高級コンデジ路線の2つのライン。

 普及型コンパクトはクオリティーに難があり、高級コンパクトは望遠に弱い。じゃあ両方のおいしいところをうまいこととれば、高級コンデジのクオリティーと高倍率の利便性の両方を満たせるんじゃないか、と。TXシリーズはそういう他社にはないカメラなのだ。

 そして2018年3月に発売されたDC-TX2。TX1よりさらに進化してきた。

広角にも望遠にも広がった15倍ズームで登場

 TX1とTX2。上から見ると違いはすぐ分かる。

上がTX1、下がTX2

 基本デザインは同じな分、違いが際立っているのだ。

 それはレンズ。TX1は「25-250」、つまり35mmフィルム換算で25-250mmの10倍ズームなのに対し、TX2は「24−360」、つまり24-360mm相当の15倍ズームに上がったのだ。

 望遠のみならず、広角側も24mm相当に広がったのはでかい。

 ただその分、沈胴時のレンズ部の厚みは増したし、ちょっと重くなったし、レンズもF2.8-5.9だったのがF3.3-6.4とちょっと暗くなってしまったのが大変残念であるが、「レンズをより高倍率に」をコンセプトに掲げて開発されたのだろう。

 何しろレンズがここまで伸びるのだ。

望遠端まで伸ばすとどこにこんなレンズが収納されていたんだよレベルで伸びる

 望遠側が360mm相当もあればまず困らないし、それ以上望遠側を伸ばしてもレンズが暗くて手ブレしやすくてとなれば実用性はさほど上がらないから。

 センサーはもちろん1型で2000万画素。

 個人的に心配だったのがクオリティー。

 実はその利便性に心奪われて、前モデルのDMC-TX1を使っていたのだが、実のところ、倍率を上げすぎたのか望遠端の描写がちょっと甘いのが気になってたのだ。

 で、早速撮り比べてみた。

比べてみた。左がTX2。右がTX1。ほぼ同等の画角になるようセットして、iAモードで撮影

 ……良くなってる。

 微妙な差だけど、TX1の方が少しディテール描写が甘いのに対して、TX2の方がシャキッとしてるのが分かる。

 良いではないか。

 しかも広角端が25mm相当から24mm相当になっているので微妙に撮れる範囲も広い。

左がTX2、右がTX1の広角端

 開放F値がF2.8からF3.3になったのは気にならないでもないが、そもそも背景のボケを期待して使うカメラではないし、気にしなくてもいいのかなという気もする。

 せっかくなので、それぞれの作例をどうぞ。

24mm相当なので広角端だとかなり広く撮れる(24mm相当 1/1000秒 F3.5 ISO200)
15倍ズームあればここまで寄れる。まず困らないレベルだろう(360mm相当 1/320秒 F6.4 ISO200)

 シャッタースピードはメカシャッターで1/2000秒まで、それ以上は電子シャッターで1/16000秒までイケる。電子シャッターを併用できるのは良い。

 連写は最高で秒10コマ。AF追従で秒6コマ。

 AFは速くて快適。コントラスト検出式AFだがパナソニック得意の空間認識技術を使い、コントラスト検出式とは思えない快適さで撮ることができる。これは良い。

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