「BUD and BREAKFAST」(大麻と朝食)では、ラスベガス、カリフォルニア、ジャマイカ、ウルグアイなど、世界各国400以上もの「マリフアナ・フレンドリー」な施設を検索・宿泊できる。大麻を活用し、よりよい旅行体験をしようというコンセプトだ。Webサイトを見ると、健康志向な印象すら受ける。
また、「James New York-NoMad hotel」(ジェームズ・ニューヨーク・ノマド・ホテル)では、室内カンナビジオール(CBD)テイスティングメニューを開発。人間用だけではなく、犬用の大麻メニューやスキンケア商品も提供している。
17年には、米国における大麻の売り上げが100億ドルに達した。前年比で33%の増加、18年も大麻市場の拡大は続いていく見通しだ。
大麻市場の急速な拡大の背後には、ここ数年で米国内での大麻解禁、さらに近隣諸国での合法化の流れがある。
日本では大麻の所持は違法だが、米国ではニューヨークを含む28の州で医療用大麻が合法となっており、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギーなどでも医療用としての使用が許可されている。
ちなみに、医療用の大麻は、リウマチや末期がんなどで生じる痛みを緩和するために使われる。片頭痛や不眠症にも効くとされ、「医療においては害は少ない」と認識されているようだ。
さらに、米国で最大の人口を誇るカリフォルニアなどいくつかの州では嗜好用の大麻使用も解禁されている。
カナダでも18年6月19日、大麻の合法化を認める法案が国会で可決され、8〜12週間以内に合法化が実現する見通しだと報じられた。国レベルで嗜好用マリフアナの合法化が認められるのは、主要7か国(G7)では初だ。
米調査会社「Grand View Research」によると、マーケットの成長が現在のペースで続いた場合、25年までに世界の医療用大麻の市場は558億ドルに達するという。
ここまで規模が大きくなれば、大麻の税収は国家の財政にも少なからずインパクトを与える。さらに、カリフォルニア州では、嗜好用大麻の解禁により10万人近い雇用が生まれ、間接的な影響も考慮に入れれば14万6000人の雇用創出につながるとされている。
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