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海外でスマホを安く使う方法 「ローミングは高い」は本当?ITりてらしぃのすゝめ(1/3 ページ)

» 2018年07月04日 06時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 間もなく夏休み。今年も多くの方が海外旅行の予定を立てているのではないかと思います。米国や欧州、アジアならばそのほとんどのエリアでスマートフォンなどの高速通信が可能になっていて、日本にいるのと同じ感覚でGoogleマップや予定表、SNSへの投稿ができます(中国をのぞく)。

 以前、私もマレーシアのクアラルンプールや英ロンドンへ「スマホだけでどこまでできるか」という取材に駆り出されました。行く前はかなり不安でしたが、ロンドンの地下鉄もGoogleマップで乗換の案内が出ますし、クアラルンプールの街もマップ片手に歩くことで、迷うことなく目的地に着いて驚いた記憶があります。

 もはや海外でもスマホのデータ通信がつながるのは当たり前。海外旅行を計画している人の中には、モバイルWi-Fiルーターのレンタルを考えている人もいるでしょう。しかし、私は最近ほとんどレンタルを利用しなくなりました。今回は、海外で手軽にデータ通信する方法をまとめたいと思います。

手軽にやりたいなら:キャリアのローミング

 私はモバイルルーターレンタルをやめたのですが、そのきっかけはNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの海外ローミングサービスが拡充したことがきっかけでした。今ではどのキャリアも海外利用が1日980円程度、しかもキャンペーンなどで1日分は無料というような施策をしているため、ルーターレンタルよりもやや割高ながら、ほとんど変わらない値段で利用が可能なのです。

 海外ローミングというと昔は「パケ死」の代表格で、何も知らずに使っていたら100万円レベルの請求が来ることもありました。が、現在では上限のあるキャップ制がほとんどです。米国や欧州ならば、キャリアが提供するローミングを利用する方が楽でしょう。

ドコモ NTTドコモの「パケットパック海外オプション キャンペーン料金プラン」のページ

 値段がほぼ一緒なら今までのルーターレンタルでもいいのでは、と思うかもしれません。私がキャリアのローミングを選んだのは、むしろ物理的な要因が大きかったと思います。借りませんので当然ながら返さなくていい、物理的に荷物が減る、さらには出先で悩みの種になる「バッテリー問題」を考えなくていいのが大変大きいです。

 特に昨今のスマホOSは、Wi-Fiは通信量に制限がないネットワークと判断し、バックアップなどを行う仕様であることが多いです。そのため、モバイルルーターにつながっていると、無尽蔵に通信をしようと試みてしまいます。それ故、ルーターを利用する際はバックアップや写真の転送をオフにするといった設定も必要で、それを考えると「モバイルルーターはややスマホを理解したユーザー向け」になってきたのではないかと思います。

 24時間980円で、パケ死もなく、手軽に利用可能。かつては「モバイルルーターはグループで1つ借りればいい」という感覚でしたが、データ通信が重要となったいま、おのおのが通信できる環境を用意すべきでしょう。各キャリアが積極的にこの仕組みを推し進めており、いわゆる格安SIMとの差別化要因としても注目できるかもしれません。

もう一歩進めて:現地SIM活用

 最近のスマホ端末ならば、端末代金を一括で払っている場合や、分割払いでも利用から101日たっていれば手軽に「SIMロック」を解除できるようになりました。特にiPhoneやハイエンドなAndroid端末であれば、海外旅行時に現地の格安SIMを使うことにより、キャリアのローミングよりも安価に通信ができるようになります。

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